OMO絶好調!なぜ「しまむら」ではECで買う9割のお客が店で受け取るのか!?

2022/04/21 05:55
    野澤正毅
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    コロナ禍がきっかけで、ECへの傾斜を強める流通業界。しまむら(埼玉県/鈴木誠社長)も例外ではないが、全国約2200のリアル店舗を生かした、ECとのOMOOnline Merges with Offline:オンラインとオフラインの融合)で一線を画す。鈴木誠社長は、今後も年間30〜40店舗のペースでの出店を表明。「バースデイ」「アベイル」「シャンブル」といった業態の育成に力を注ぐ。一方で、大都市圏で主力の「しまむら」の出店攻勢をかけ、シューズとファッションの新業態の開発を進めるなど、新しいビジネスチャンスの獲得にも依然、余念がなさそうだ(注:本インタビューは3月上旬に行われました)。

    ECで、リアル店舗の客層も拡大

    オンラインサイトTOP
    ファッションセンターしまむらホームページTOP

    アパレル企業のECシフトが進んでいます。

    鈴木 当社も、大都市圏を中心に売上が順調に伸びています。郊外のリアル店舗での購買が中心でしたので、リアル店舗の少ない大都市圏のお客さまにオンラインでよりご購入いただいていると認識しています。オンランストアのラインアップのうち約6割をEC専用商品として、「ECで購入する理由」を作っています。

    一方、EC化率はまだ低く、アパレル業界全体でEC化率が約11%と言われるなか、当社は5%ぐらいを目標値に置いています。EC用の物流センターは現在、1カ所ですが、関西にももう1カ所増設します。

    品揃えもリアルとオンラインで変えているのでしょうか。

    鈴木 かなり変えています。現在のオンラインストアのラインアップのうち、約60%が専用商品です。例えば、当社では、有名インフルエンサーである「プチプラのあや」さんとのコラボレーション商品も展開していますが、「オンライン限定カラーのバッグ」といったオリジナル商品を6割ほど揃えています。また、全国約2200のリアル店舗を生かし、ECで一定の販売期間が過ぎた商品を全国のリアル店舗に回して売り切るようにしています。ECのお客さまは飽きが早いですから、そうすることで、オンラインストアの商品鮮度を高めています。商品回転率はリアル店舗の約2倍、年1014.5回です。

    オンラインストアでは、商品の店頭受取りサービスも手がけられています。

    鈴木 実は、ECのお客さまのうち90%以上がこの受け取りサービスを利用されています。とくに東京都心のリアル店舗では、受け取りに来られるお客さまが郊外店と比べて10~20倍も多く、来店時に新たに2~3点お買い上げいただいています。いわゆるOMO(オンラインとオフラインの融合)が予想以上にうまくいっていると受け止めています。

    そのほかに、オンラインストアの新しい活用法はありますか。

    鈴木 デジタルの顧客データを得られるのが、何と言っても、オンラインストアの強みでしょう。当社は今後、高感度、高品質、低価格の実現に加え、潜在的なニーズ=ウォンツの提案に注力しようと考えています。ウォンツは、販売データといった過去の結果からは見えてきません。ECサイトや動画サイト「しまむらTV」の視聴情報、SNSへの書き込みといったデジタルデータを集積・分析して、その中からウォンツを探り当て、需要予想や商品開発につなげる試みを始めています。商圏の顧客分析も、もっときめ細かく、パーソナライズできるようになるでしょう。

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