OMO絶好調!なぜ「しまむら」ではECで買う9割のお客が店で受け取るのか!?

2022/04/21 05:55
    野澤正毅
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    台湾事業は将来、100店舗規模に拡大

    流通業界では、ECやコロナ禍の拡大に伴って、リアル店舗網の見直し・縮小といった動きも起こっています。御社はどうお考えでしょうか。

    鈴木 他社とはスタンスが異なるでしょう。リアル店舗は、当社の最大の武器ですから。OMOの効果も見えてきたところですので、これからはリアル店舗とECが成長の両輪となります。新規出店は中計3年間で100店舗の計画を出していますが、業態によって出店戦略を変えます。

    全国に約1400店ある「しまむら」の出店余地はあと50100店。リロケーションがメーンとなり、店舗の大型化を進めます。22年度上期には、12001300㎡フォーマットの新店をオープンする予定です。一方、「バースデイ」「アベイル」はともに約300店舗ですが、中長期的にはいずれも500店舗規模に増やす計画です。雑貨中心の「シャンブル」も200300店舗体制を目指したいですね。

    強化する出店エリアは、どの辺りでしょうか。

    鈴木 まずは、手薄な大都市圏を“リベンジ”で狙おうと考えています。コロナ禍以降、大都市圏での店舗開発の環境は、かなり改善しましたから。とりわけ、東京、神奈川、埼玉の一部がメーンターゲットです。立地は、都心部周辺のインショップが中心ですが、フォーマットにはこだわりません。2フロアからなる物件に出店することもあり得ます。重視するのは賃料と売上のバランス、収益性です。それから、条件が整えば、店舗は賃貸だけでなく、自社で保有することも想定しています。将来的には、大阪、名古屋、福岡などへの出店にも力を入れたいです。

    日本市場が縮小する中、成長戦略として海外市場に目を向ける流通業も増えています。しまむらは現在、台湾市場にすでに乗り出されていますが、今後の海外事業の展望もお聞かせください。

    鈴木 台湾市場は有望視しています。将来的には100店舗規模まで事業を拡大したい。ただし、中国に再上陸するつもりは、今のところありません。ブランドが浸透し、越境ECなどで一定の客層を確保できたら、その時改めて検討しようと思っています。

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