値段安すぎ?商品政策調査でわかった、まいばすけっとの高いポテンシャルと課題とは

解説:海蔵寺りかこ (代表)
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まいばす大

東京都と神奈川県をメーンに店舗展開し、このほど1000店舗となったまいばすけっと。約60坪を標準とする小型フォーマットでありながら、生鮮3品と総菜を揃えているのが同社の商品政策(MD)の大きな特徴だ。おもに都市部に居住する消費者のニーズにまいばすけっとの品揃えはどこまで対応できるのだろうか。食品小売のコンサルティングで多数の実績を持つKTMプラニングの海蔵寺りかこ氏に、総菜を中心としたまいばすけっとのMDを解説してもらった。調査日:1月24日 ※本文中の価格はすべて本体価格

生活に必要な食材を手軽に買える重要性

 「都市型小型食品スーパー」を掲げるまいばすけっとは、食品スーパー(SM)とコンビニエンスストア(CVS)の中間をねらったコンセプトのフォーマットによって、東京都と神奈川県に居住する消費者から多くの支持を集めている。2005年から店舗展開がスタートし、着実に出店を重ねてきた結果、22年1月14日の「大森北1丁目店」(東京都大田区)のオープンをもってついに1000店体制を達成。1つのフォーマットだけで、これほどまとまった店数を出せるというのは、会社のポリシー、方向性がしっかりとしているからにほかならない。

 原則、同社は都市部に店舗展開しているが、駅前や住宅街など立地は多様である。駅前は居抜きでの出店が多く見られ、集客効率のよい場所をうまく押さえている。その一方で、古くからの団地内にある「千丸台団地前店」(神奈川県横浜市)のように、交通アクセスのよいとはいえない場所にもまいばすけっとは出店している。それでも周辺に食品を買える店がほとんどなく、同店は連日、多くの利用者でにぎわいをみせている。

 生活に必要な食材を手軽に買うことができる同店は、多くの消費者にとって不可欠な存在になっている。品揃えはある程度、標準化されており、たとえ引っ越しをしても近くに店舗があれば、以前と同じように買物ができるという安心感もある。

高齢化進めばさらに強く?生鮮食品が来店動機に

まいばすけっと岩本町2丁目店
まいばすけっと岩本町2丁目店
●所在地: 東京都千代田区岩本町2-12-5早川トナカイビル
●営業時間: 7:00~24:00
●アクセス: 都営新宿線「岩本町」駅より徒歩3分

 現在、すでに多くの利用客があるまいばすけっとだが、将来的にも大きな可能性を秘めているといっていい。その理由の1つが高齢化だ。

 高齢化が進めば、人の

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解説

海蔵寺りかこ / KTMプラニングR 代表

食品コンサルタント
1級色彩コーディネーター、カラーデザイナー、UCアドバイザー

株式会社KTMプラニングR代表。大阪府吹田市出身、太陽の塔を眺めながらバレーボールに明け暮れる少女時代を過ごす。ダイヤモンド・チェーンストア誌連載「販促の強化書」、店舗調査解説などを執筆。JA全農にてさまざまな国産農畜産物のSPA化と向き合う。惣菜メーカー、食品スーパー、データ分析等の各企業のサポートや各種セミナーも開催している。

KTMプラニングRホームページ

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