便利な小型店、まいばすけっとが「薄利多売」をしないのはお客のためである理由とは
2022年1月の出店で、ついに1000店舗体制となったまいばすけっと。1号店出店から約16年という短期間で、同社はなぜこれほどの規模に成長できたのか。食品スーパー(SM)の経営コンサルティングで実績多数のアイダスグループ鈴木國朗氏とまいばすけっとのドミナントエリアをめぐり、成長の原動力を探った。※調査日:2022年1月5日
小型店ならではの「アプローチのしやすさ」
今回、まいばすけっとの強さを探るにあたり、同社が強固なドミナントを築いている代表的な2エリアを調査した。
1つめは東京都江戸川区の東京メトロ東西線「葛西」駅の周辺、半径600m圏内に8店舗が出店するエリアである。大通り沿いにはオフィスビルが林立し、その1階部分には小売店や飲食店が入る。通りを1本入ると、マンションやアパートが立ち並ぶ。SMでは「マルエツ葛西店」「Olympic葛西店」が、コンビニエンスストア(CVS)ではセブン-イレブン3店舗とファミリーマート1店舗が営業する。こうした環境下でまいばすけっとは強固なドミナントを築いている。

もう1つは、神奈川県横浜市西区の相模鉄道本線「平沼橋」駅と「西横浜」駅、および京浜急行本線「戸部」駅の周辺の西横浜エリアだ。同エリアは横浜駅から南西へ1㎞ほどにある古くからの人口密集地だ。今回は半径500mに出店する6店舗を調査対象としているが、少しエリアを広げると相鉄本線沿いに多数のまいばすけっとが点在する。
葛西駅周辺エリアの8店舗、横浜平沼橋・戸部エリアの6店舗の合計14店舗の調査をもとに、まいばすけっとの強さをいくつかのキーワードで説明してみたい。
1つめは、小型店のデメリットを克服し、小型店ならではの「アプローチしやすさ」を強みに転換している点だ。
一般的に、小型店は「価値の強調が難しい」というデメリットがある。たとえば、安さや品揃えのよさといった価値をアピールすることも、おいしさを表現することもよほど工夫をしなければ難しい。
ところが、まいばすけっとでは、
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