実践!流通英会話④競合状況
競合対策について、英語で質問してみましょう

太田 美和子
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海外店舗を視察に行っても質問ができない。視察先の担当者とあいさつができずにモジモジしてしまう。そんなアナタに“流通英語”の基本を教えます!第4回は競合との戦い方について詳しく質問してみましょう。

 

今回のシーンと登場人物

ウォルマート対策に成功しつつあるオハイオ州のダンデライオン・マーケット。ディス カウンターとの競争に苦悩するやまだスーパーマーケットの山田信彦社長は、ダン デライオン・マーケットの対策を学ぶために、コーディネーターの大森剛と共に、同 社のトム・レイノルズ取締役を訪問。レイノルズ取締役は、ウォルマート対策の実験場 である旗艦店に山田社長を誘った。レイノルズ取締役自身の運転で、旗艦店に向か う途上、出店地域の競合状況について質疑応答をする。

登場人物
山田信彦 : やまだスーパーマーケット社長
トム・レイノルズ : ダンデライオン・マーケット取締役マーケティング部長
大森剛 : コーディネーター

難易度(各英語センテンスに表記されています)
初級 : あいさつなど基本的な言い回し
中級 : よく使うので覚えておきたい言い回し
上級 : さらに突っ込んだ会話ができる言い回し

 

今週の英会話~競合状況~

大森:I’ve already seen two large supermarkets so far. How many supermarkets are there in this trade area?
ここまでにすでに2店の大型スーパーマーケットが見えました。 この商圏にはいくつのスーパーマーケットがあるのですか(中級)。

レイノルズ:There are four supermarkets including our flagship store and one Wal-Mart Supercenter.
当社の旗艦店を含めてスーパーマーケットが4店と ウォルマート・スーパーセンターがあります。

大森:Which is the toughest competitor? (中級) 
どれがいちばん厳しい競合ですか。

レイノルズ:All of them are tough competitors. We used to consider Wal-Mart Supercenter the toughest competitor.
すべての店が厳しい競合です。かつては、ウォルマート・スーパーセンターを最も厳しい競合とみなしていました。

山田:Why did you think so? (初級)
なぜそう思ったのですか。

レイノルズ:Because that was our first time we confronted that giant competitor.
I’ll tell you the story of how we prepared for
their opening and how all our efforts went wrong.
あのような巨大な競合と対峙するのは初めてだったからです。 彼らの開店に対抗してどのような準備をし、われわれのすべての努力がどのようにして 失敗したかをお話ししましょう。

 

解説

今回のスキットでの注目点は、質疑応答の仕方です。とくに、3つの質 問文に着目してください。英会話の中でも、質問をどれだけ駆使でき るかは、視察で満足いく成果が得られるかを左右します。 質問方法で、相手が快く答えてくれるための、重要なポイントがあり ます。それは、事実や数値ばかりを質問するのではなく、その企業、あ るいは質問を受けてくれている人物の意見や考えを訊ねることです。 このスキットでは、2つめと3つめの質問がそれに当たります。

このセンテンスを覚えよう!

How many supermarkets are there in this trade area? :数を訊ねる質問文です。ある範囲内の数を聞く場合、How many+ 主体+are there in +範囲?と覚えてください。たとえば、「このお店 に従業員は何人いますか」は、How many employees are there in this store? となります。
Which is the toughest competitor?:Which~?は、複数の 選択肢のうちの「どれか」を訊ねるときに使います。この文章では、そ の後に最上級(KEYWORDを参照)を伴い、「最も~なのはどれか」 を訊ねています。視察英語としては、最上級を伴ったかたちを覚える ことをお勧めします。このセンテンスの応用として、「どれが最も収益 性の高い部門ですか」は、Which is the most profitable department?などがあります。
Why did you think so?:この文章は「なぜそう思ったのですか」 と過去形です。現在形の「なぜそう思いますか」の場合には、Why do you think so?です。意見を訊ねるのに頻繁に使う文章です。

KEYWORD 一般的な用語

toughest: toughの最上級です。最上級とは、性質・状態・度合い などの程度が最も高いことを表します。学生時代に習ったgood(原 形)・bette(r 比較級)・bes(t 最上級)などを思い出しますね。最上級 は、前にtheが来ます。Toughestの原形のtoughは、スキットの文章 では「手ごわい、厳しい」という意味です。the toughest competitorはセットで覚えておきましょう。
prepare: prepareにはいろいろな意味がありますが、ここでは、 「(来るべき事態に備えて)準備する」という意味です。この場合に は、後にforを伴います。視察英語でprepareと言えば、もうひとつの 意味のほうがよく知られています。それは、「食事のしたくをする・調 理する」です。prepared food(調理済み食品)は、視察でとてもよく 登場する用語です。

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