小売り5社が営業益最高=行動制限解除、訪日客も寄与―6社の8月中間決算

時事通信社
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ローソンの看板
〔写真説明〕ローソンの看板(資料写真)

 スーパーや百貨店など小売り大手6社の2023年8月中間連結決算が13日、出そろった。新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが「5類」に移行し行動制限がなくなり、客足が回復。インバウンド(訪日客)需要も急拡大し、J・フロントリテイリングを除く5社が本業のもうけを示す営業利益、または営業利益に相当する事業利益で過去最高を記録した。

 ローソンは事業利益、純利益ともに過去最高。食品に加え化粧品など日用品が好調だった他、コンサートやスポーツ観戦の復活でチケット販売が大きく伸びた。13日記者会見した竹増貞信社長は、「コロナ禍で変わった消費行動に対応できた」と振り返る。同業のファミリーマートも事業利益が最高だった。

 百貨店ではインバウンドによる免税売り上げが急増した。海外ブランド品など富裕層による高額消費も堅調で、高島屋は営業利益が過去最高。同社とJ・フロントは24年2月期の業績予想値を引き上げた。

 セブン&アイ・ホールディングスは国内コンビニ事業がけん引した。イオンは値頃感のあるプライベートブランド(PB)が好調で、総合スーパー事業が中間決算としては10年ぶりに黒字に転換した。 

 下期の経営環境については、各社が「原材料高、円安、消費者動向など、どうなるか読めない」(ファミリーマート)と慎重な見方を示す。百貨店も、「(高額消費が)ピークアウトしてきている気がする」(村田善郎高島屋社長)と、楽観を許さない。    

◇小売り大手6社の2023年8月
中間連結決算
          営業利益    純利益
【総合流通】
 セブン&アイ   2,411    802
        (  2.7)(▲41.0)
 イオン      1,176    233
        ( 22.7)( 29.3)

【コンビニ】
 ローソン      530    324
        ( 45.8)( 58.3)
 ファミマ      517    330
        ( 32.9)( 50.7)

【百貨店】
 高島屋       208    149
        ( 62.4)( 10.6)
 Jフロント     201    129
        ( 48.2)( 27.0)

(注)単位億円、億円未満は切り捨て。カッコ内は前年同期比増減率%。▲はマイナス。ローソン、ファミマ、Jフロントは国際会計基準、営業利益は事業利益

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