良品計画の24年8月期上期決算が増収大幅増益!国内復活のけん引役は

松岡 瑛理
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下半期もスキンケアや日用品など、生活雑貨の販売に注力する

地域特性に合わせた
商品提供めざす

 良品計画では21年7月に発表した中期経営計画で、2030年までのビジョンとして「日常生活の基本を支える最強で最良の基本商品群、その調達の生産体制を完成する」という項目を掲げている。

 国内では上半期、スキンケアや日用消耗品が好調だったことから、下半期は「スキンケア」「日用品」「日常の服」に注力し、「日常生活の基本を支える最強で最良の基本商品群」というビジョンの実現にアプローチする。とくに、食品スーパー横にある600坪ほどの店舗で、これらカテゴリの商品を中心的に展開し、日常的な利用度を高めていくという。

 海外では中国大陸での出店を継続し、既存店の成長体制を強化することで、同大陸内での成長を図る。
 また下半期には、米国・ニューヨーク、フランス・パリへの旗艦店の出店も予定する。これまで、米国やフランスに出店した店舗は売場面積平均80坪前後と、国内店舗の半分にも満たないものが大半だった。
 堂前社長は「我々は何者でどういった価値を提供する会社なのか、海外のお客さまにしっかりと伝えることから始めて、その上で事業を拡大していくという順番を意識したい」と話す。

 これらの取り組みを通じた先にめざすのは、価格を抑えた商品を世界中で同時に販売する「グローバルサプライチェーンモデル」から、地域特性に合わせた商品を提供する「地産地消サプライチェーンモデル」への転換だ。「海外で商品開発を行う中で、たとえば家一つをとっても、天井の高さ、ドアの大きさなどすべてのパーツに地域差があることを知った。今後は各国ないし各地で企画開発し、生産、消費へとつなげるビジネスモデルが必要だ」と堂前社長は言う。

  「地産地消サプライチェーンモデル」については、まず地域差が大きい食品領域からスタートし、徐々に他のカテゴリーにも領域を広げていく予定。衣服など、人間の労働力に依存する割合が高い労働集約型の産業については、引き続きグローバルサプライチェーンのモデルを適用していくという。

 良品計画は21年に掲げた中期経営計画で「ESG経営のトップランナーとなり、日常生活の基本を正しく支える企業、地域課題を解決し地域に貢献する企業」をめざすという目標を掲げている。とくに地域課題の解決という観点に向けて、下期は国内、海外事業ともにどう事業が進展していくのかに注目したい。

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