プロのコピーライターが解説!2大人気スーパー、オーケーとロピアがファンを作り出す「言葉の秘密」

2020/10/14 05:50
川上徹也(湘南ストーリーブランディング研究所代表)

今、首都圏で最も勢いのあるスーパーマーケット(SM)といえば、オーケー(神奈川県/二宮涼太郎社長)とロピア(同/高木勇輔社長)の名前を挙げる人は少なくないだろう。どちらも圧倒的な価格の安さを売りにしているが、ファンが多いのはそれだけが理由ではない。本稿では、コピーライターでストーリーブランディングの第一人者と知られる川上徹也氏が、両社の店頭やPOPなどに掲げられる「言葉(キャッチコピー)」に着目し、消費者から支持されている理由を探った。

OKとロピアの外観

オーケーに感じる冷静な売り手の意志

湘南ストーリーブランディング研究所代表川上徹也氏
湘南ストーリーブランディング研究所代表川上徹也 氏
企業の理念を旗印として掲げる「川上コピー」が得意分野。著書に『物を売るバカ』『1行バカ売れ』『川上から始めよ』など多数。

 コピーライターを本業とする筆者は今回、オーケーとロピアという2つの人気SMにおいて、店頭や店内のPOPや掲示物で謳われている「言葉(キャッチコピー)」について調査し、分析した。

 まず訪れたのが、小田急江ノ島線、相模鉄道いずみ野線、横浜市営地下鉄ブルーラインが乗り入れる「湘南台」駅前の「オーケー湘南台店」(神奈川県藤沢市)だ。店頭には「高品質・EverydayLow Price」という経営方針が書かれたポスターが掲げられ、「毎日が特売日である」ということを示している。またそれに並んで「万一、他店より高いものがございましたらお知らせください。値下げします」というポスターも掲示。この2つのポスターを見れば、「オーケーで買って損することはない」ということが簡潔にわかる。

 店内にある“言葉”を見てみよう。特徴的なのは「売り手の意志」を感じるフレーズが多いことだ。有名な「オネスト(正直)カード」はその最たるものだろう。オネストカードとは、店としては本来あまり伝えたくないネガティブな情報を、消費者に“正直に”伝えるカード形のPOPである。たとえば、雨で野菜の品質が落ちている時に「雨続きで、通常販売している商品より品質が悪くなっています。お急ぎでなければ、しばらくお待ちください」と伝える。このような顧客側に立って情報をオープンにするという姿勢が、ファンを生む大きな要因になっている。ただこの日は、実際にオネストカードが掲げられている商品は発見できなかった。

 ほかにも「意志」を感じるボードが店内のあちらこちらに掲げられている。たとえば、「合成着色料を使用している食品は原則取り扱っていません。代替品がなくどうしても扱わざるを得ない場合はPOPで明記します」「オーケーでは肉の風味が豊かで脂の甘い『黒毛A4』をおすすめしています」などだ。

 加えて店内で目立ったのが、生鮮食品に関する解説ボードの多さだ。果物売場では、りんごの品種ごとの「甘さ」「酸味」がチャートになっていてわかりやすい。野菜売場では、各野菜の保存方法や下ごしらえの方法などが写真入りの大きなボードで解説されており、じゃがいも売場でも、季節ごとに売場に並ぶ品種とその特徴が詳しく書かれている。精肉売場であれば部位の名称を詳しく解説、貝類の売場であれば「あさりとしじみの簡単な砂抜き方法」といった情報を発信している。

 このように、オーケーの店内で見られる「言葉」からは、経営・販売理念といった売り手の明確な意志とともに、お客の理性に対して誠実に訴えかけるフレーズが多いという印象を受ける。

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