ローリングストック=食べながら備える新しい備蓄方法
家庭での食料備蓄率100%をめざす

実際にどのような食品がローリングストックとして適しているのか。開封してすぐに食べられる食品と、調理が前提の食品の2種類を揃えておくことが基本。野菜の水煮や乾燥野菜、ツナ缶詰などアレンジ自在な使いやすい常温保存食品を揃えておくと便利だ。賞味期限は必ずしも長い必要はなく、短いものは消費する回転を上げるようにすれば大丈夫。また、常温保存食品を使って主食・おかず・副菜・汁物といった定食が出来上がるイメージで揃えることが大切だ。一見、冷凍食品もローリングストックとして適しているように思えるが、停電になった場合、冷凍食品は1日で使えなくなってしまうため、あまり適していない。
「私はふだんからよく乾燥野菜を使っています。野菜を切る手間がなく、ゴミが出ないので便利です。レトルトカレーに乾燥ほうれん草とウズラの卵をトッピングするだけで、彩りのよいカレーが出来上がります。料理は生鮮からつくるもの、という固定概念をなくせば、簡単においしくつくれる料理の幅が広がります」(池上氏)。
DSAは楽天レシピのファンページ内で、備蓄食を使ったレシピを紹介している。現在1万5000人(20年6月現在)が登録。人気メニューは、サバ缶を使った丼ぶりや、真空パックのあさりでつくった和風ボンゴレ、じゃがいもフレークと片栗粉でつくるチヂミなど。便利なストック食品を無理せず生活に浸透させていくのがねらいだ。
「みなさんと話している時に感じるのが、多くの人が乾燥野菜やチキンの水煮などが、ふだん買物に行くSMのどこに置いてあるのか知らない、ということです。消費者と直接つながっているSMが、店頭で提案してもらえれば、備蓄率がアップすると思います。私達は家庭での食料備蓄率100%をめざしています」(池上氏)
家庭での備蓄率が上がれば、災害が起こった場合でも被害が大きなところに支援が集中できる。備蓄率を上げることが地域の底力アップにつながるということだ。
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