災害やコロナ禍で注目度が上昇するローリングストック、企業がコーナー化など取り組みを強化

上明戸 聡(ライター)
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「防災の日」などをテーマにトライアル機会を提案

 次に「ローリングストック」商品をどのような販促施策で訴求しているかについて尋ねている(図5)。

 これについての回答で多かったのは「店頭でのコーナー展開」と「チラシ掲載」だった。ほかに「防災の日」などと絡めた催事展開や、自社ホームページやアプリでの情報発信という回答が寄せられている。

 また、年間で特定の月や時期を自社で「防災強化期間」として設定し、チラシ掲載のほかポスターやPOPなどで訴求する、という回答も見られた。

 一般的に「ローリングストック」への関心は高まっており、実際に生活に取り入れている消費者も増えていると考えられるが、店頭からの情報発信や、需要増のきっかけにつながる機会を提案し、キャッチしていこうとする取り組みが行われていることがわかる。

 メーカーとの商談の際、どのような提案を望んでいるかを自由回答で尋ねたところ、「使用シーンを明確にした提案」「ストックされたままにならないような工夫」「備蓄品として好調な商品の情報提供」「オンラインでの販促を想定した世帯人数に応じた推奨セットの提案」「ローリングストック各商品の組み合わせ訴求の提案」「ローリングストックにおけるアップグレード品についての提案」「安定的な供給」などの回答が寄せられた。

 最後に、今度、「ローリングストック」のコーナー展開や、催事売場でのディスプレイ陳列といった売場づくりを行っていく予定があるかどうかを尋ねている(図6)。

チェーンストアを運営する流通各社を対象にした「ローリングストック」についてのアンケート(質問5~6)

 これに対しては、「前向きに取り組んでいく予定」という回答が8社。「予定はないが、取り組みたい」という意欲を示しているのが7社と、多くが前向きな回答を寄せている。

 さまざまな社会要因を背景に、社会環境や日常生活が変化し、ライフスタイルについても、多様な見方がある。コロナ禍や自然災害に加えて、ウクライナ危機の生活への影響も見通せない状況だ。こうした時代だからこそ、ニーズの変化に対応する提案のひとつとして「ローリングストック」をとらえ直してみる必要がありそうだ。

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