アマゾンフレッシュの次はアマゾンアウトレットか!?リアル戦略を押し進める本当の狙いとは?
ECの巨人アマゾン(Amazon.com)が近年、リアルの領域に深く入り込んでいることは周知のとおりだ。ECや物流の領域で進めているのと同様、破壊的イノベーションをリアルの領域でも巻き起こしている。本稿ではアマゾンのリアル戦略の中身とめざす方向について考察する。
「アマゾン・ゴー」はコロナ禍で出店減速
あらためてアマゾンのリアル店舗戦略を振り返ると、2015年に書籍専門店「アマゾン・ブックス(Amazon Books:現在24店舗)」、モール内の主通路などでアマゾン製品を展示・展開する「アマゾン・ポップアップ(Amazon Pop-up:同7店舗)」をそれぞれ出店したことに端を発する。その後18年にはカスタマーレビューで「星4つ」以上の評価を得た商品を中心に揃えた「アマゾン4-スター(Amazon4-Star)」の出店を開始し、現在は30店舗まで拡大している。

そして小売市場を揺るがすニュースとなったのが、18年1月に1号店を開業したレジレスコンビニエンスストア(CVS)の「アマゾン・ゴー(Amazon Go)」だ。説明するまでもないだろうが、AIやコンピュータービジョンなどを駆使することで、レジに並ぶことなく商品を手に取ってそのまま店を出られる革新的な店舗である。その利便性の高さはもちろん、コロナ禍での非接触ニーズの高まりもあり、今あらためてそのフォーマットに注目が集まっている。ただしコロナ禍の影響か出店スピードは減速気味で、総店舗数は昨年26店舗まで増えたものの、その後、シカゴやサンフランシスコ、ニューヨークで4店舗を閉鎖。ほかにも2店舗が長期休業中である。

アマゾン・ゴーで用いられるレジレス技術「ジャスト・ウォーク・アウト(Just WalkOut:JWO)」を導入した食品スーパー(SM)として、20年にシアトルでオープンしたのが「アマゾン・ゴー・グロサリー(AmazonGo Grocery)」。その後1店舗を追加出店し現在2店舗体制となっている。
空港から大型アリーナまで…JWOの外販拡大
このJWOは外部企業にもライセンス販売されており、第1弾として
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