アメリカンイーグルにD2C企業そしてアマゾン アメリカ小売市場で勝ち組になるため…の「3つの特徴」とは
米国において、新型コロナウイルス(コロナ)感染防止のためのロックダウン(都市封鎖)によるオンライン消費の激増など、劇的な変化が起こって1年以上が経過した。米小売業界はワクチン接種の加速で“リベンジ消費”に期待が集まる一方、リアル起点とネット起点の双方向からのオムニチャネル化の進行など興味深い現象も見られる。コロナ禍を経た米消費市場の変化と、小売企業の出方を読み解く。
オンライン消費は前年比44%の伸び
コロナ禍の感染者数と死者数が世界最多を記録し、人々が長期にわたるロックダウンで巣ごもり生活を強いられた米国。そうしたなかで、米調査企業のデジタルコマース360によると、2020年の米国におけるオンライン消費額は対前年比44%増の8611億ドル(約94兆7200億円)に上ったことがわかった。また、消費額全体に占めるオンラインの割合は21.3%と、前年の15.8%からおよそ6ポイントの急増。同社は、「パンデミックなくして、(オンライン消費額の)この規模の増加は起こらなかっただろう」と分析する。
また、コンサルティング大手オリバー・ワイマンの分析によれば、ロックダウン初期に最も売上が伸びたのがテレワーク向けのパソコンや周辺機器などで、20年4月下旬には対前年比300%以上増加した。しかし、こうした商品群の売上は、需要が一巡すれば落ち着く性質のものである。対して、コロナ禍で最も“恒久的”な変化を示したとされるカテゴリーが、生鮮ECやレストランなどからのフードデリバリーの売上増だ。オリバー・ワイマンの調査では、「生鮮食品のオンライン購入額が20年4月下旬に対前年比200%増、フードデリバリーは同130%増に達した」と報告されている。
一方、調査大手eマーケターによれば、オンライン経由の食品への年間支出額は20年に892億ドルにまで伸長。21年には938億ドル、23年には1297億ドルの大台を超えると予想される(図表)。これは、パンデミックに関係なく進行中であった消費行動の変容が、コロナ禍により加速・固定化したものと見ることができる。
また、コンサルティング大手のマッキンゼーは、
続きを読むには…
この記事は DCSオンライン会員(無料)、DCSオンライン+会員限定です。
会員登録後読むことができます。
DCSオンライン会員、DCSオンライン+会員の方はログインしてから閲覧ください。
コロナ禍で起こす、イノベーション!アメリカ小売業大全2021 の新着記事
-
2021/05/14
調理体験、買物体験を圧倒的に激変させる!米国の最新フードテック事情とは? -
2021/05/14
アメリカンイーグルにD2C企業そしてアマゾン アメリカ小売市場で勝ち組になるため…の「3つの特徴」とは -
2021/05/13
フードサイエンティストも参画!ターゲットの好業績を牽引する「PB戦略」の全て -
2021/05/13
アメリカ小売で進む「ミドルマイル」の効率化とフルフィルメント業務の自動化の最前線 -
2021/05/13
AI、新テクノロジーの活用で進むアメリカのフードロス削減の最前線 -
2021/05/12
コロナ禍の全米で伸びるハードディスカウンター、アルディとリドルの最新戦略とは
この特集の一覧はこちら [13記事]
アマゾンの記事ランキング
- 2024-11-205四半期連続100億ドル超え! 急成長続くアマゾンのリテールメディア事業
- 2024-12-05アマゾンが直営SMの新規出店再開 ”緊縮”から投資拡大フェーズへ
- 2020-07-07数々の米アパレルを死に追いやったアマゾン・エッセンシャルズ静かに日本に上陸
- 2022-01-24米アマゾン、初のアパレル専門リアル店舗「アマゾン・スタイル」、年内出店
- 2023-11-02アークス、アマゾンと連携!最短2時間での配送を道内で実現
- 2024-02-19ウォルマートがドローン配達を開始、アマゾンのJWOは病院にも導入
- 2020-02-07アマゾン、シアトル近郊に新オフィスを建設、1万5000人を雇用
- 2020-04-14アングル:パンデミック最前線、命の不安抱えるアマゾン配達員
- 2021-05-18PB開発も飛躍的に推進!成長が止まらないアリババ 4つからなるC2M戦略とは?
- 2021-06-17アマゾンがSM「アマゾン・ゴー・グロサリー」を早くも廃止した理由とは?ウォルマートは1Q決算、ECが絶好調!
関連記事ランキング
- 2024-11-25ウォルマートをも打ち負かす! アメリカ最強スーパーを形づくる4つの条件とは
- 2024-11-19ユニクロ、開始から7年で明らかになった有明プロジェクトのいまとすごい成果
- 2024-11-12アパレルは「個人売買」「古着」が、今後驚くほど拡大する理由
- 2024-11-26イタリア繊維産業に学ぶ、高くても売れるビジネスの秘密とは 染めと売り方が段違い
- 2024-12-03ユニクロ柳井会長がウイグル綿花不使用発言に至った理由と影響、その複雑な背景とは
- 2024-11-13値上げしたのにアパレル業界が利益に結び付かない2つの理由
- 2024-11-15クシュタールのセブン買収提案は米国内でどう報じられているのか、在米ジャーナリストが解説
- 2024-09-17ゴールドウイン、脱ザ・ノース・フェイス依存めざす理由と新戦略の評価
- 2024-11-07同じ低価格なのに…GUがしまむらやワークマンと「競合」しない決定的な理由_過去反響シリーズ
- 2024-11-205四半期連続100億ドル超え! 急成長続くアマゾンのリテールメディア事業
関連キーワードの記事を探す
ユニクロ柳井会長がウイグル綿花不使用発言に至った理由と影響、その複雑な背景とは
ファストリが3兆円突破!24年8月期決算で語られた今後の成長戦略
ウォルマートをも打ち負かす! アメリカ最強スーパーを形づくる4つの条件とは
テキサス州だけで売上6兆円近く!最強スーパー、H-E-Bとは