横浜市にあるホームセンター3階に出店!「スーパー三和横浜鶴見店」の売場を解説
三和(東京都/小山真社長)は2023年12月8日、神奈川県横浜市に「スーパー三和横浜鶴見店」(以下、横浜鶴見店)をオープンした。ホームセンター「ホームズ横浜鶴見店」の3階部分に出店したかたちだ。同社は東京都29店舗、神奈川県48店舗、静岡県1店舗(うち、フードワンが東京都5店舗、神奈川県11店舗)の計78店(25年1月末時点)を展開しているリージョナルチェーンだ。同店はどのような売場づくりをしているのだろうか。
調査日=2024年6月1、2、7月1日 ※本文中の価格はすべて本体価格

スーパーマーケット空白地区に望まれて出店
横浜鶴見店は京浜急行本線「生麦」駅から徒歩12分、交通量の激しい第2京浜国道(国道1号線)沿いに立地している。周辺にはホームセンターや家電量販店はあるがスーパーマーケットはなく、地域住民としては待望の出店だったことだろう。その期待に応じるように、ホームセンターの島忠(埼玉県/窪田光与之社長)が旧店跡地に再開業した「ホームズ横浜鶴見店」の3階に出店した。周辺は住宅街でマンションも多いことから、人口密度が高く、多くの近隣住民の来店が期待できる店舗である。
横浜鶴見店の売場はほぼ正方形で、面積は約400坪(歩測)と、標準規模に収まっている。売場スペースの構成比を見ても、生鮮33%、日配21%、両部門合計で54%を占めており、安定した構成だ。
管理が行き届いた生鮮4売場
部門別に売場を見てみよう。
青果売場は約50坪で、壁面約60尺と平台を5台配置したオーソドックスな構成だ。入口正面には旬の果実と日替わり特売の野菜を陳列する。調査した6月1日は、広告の日替わり商品として山形県産「サクランボ(紅さやか)」(498円)や「赤肉メロン」(980円)を販売し、2日は目玉商品の「ホウレンソウ」(128円)を提供していた。
壁面は約60尺で「スイカ1/8カット」(480円)、「同1/2カット」(550円)のほか、野菜は「レタス」(98円)、「ブロッコリー」(158円)、「キャベツ」「大根」(258円)、「モヤシ200g」(34円)を販売。単品販売にも力を入れており、「トマト」(158円)、「キュウリ」(同58円)、「新ジャガイモ」「新タマネギ」(98円)を販売していた。
担当者はこまめに商品に手を入れているため、常に売場に緊張感がある。
入口からは青果の次に和日配が続き、さらにその奥では、鮮魚売場を約42尺と8尺平台で展開する。刺し身はチラシに掲載した2日間限定の「本マグロと真ダイ入り刺し身盛り合わせ6点盛り」(1380円)、「刺し身6点盛り」(980円)をメインで販売していた。また、「刺し身用本マグロ」は2日間限定で、会計時3割引きを実施。そのほかに「刺し身用メバチマグロ100g」「生食用マグロたたき100g」(各298円)を揃えるなど、このゾーンが売場の軸である。
平台では「アユ解禁」と銘打って「アユ1尾」(258円)、「アユ2尾」(480円)を販売。そのほか「真アジ(中)2尾」(298円)、「イサキ1尾」(398円)、「真イワシ4尾」(298円)など、旬と売れ筋の商品で構成している。塩干では6月1日に鹿児島産「ウナギ(長焼き)1尾」(1680円)、「同2尾」(2900円)を販売していた。
鮮魚は自信を持っているようで、陳列にリズム感があり、買いやすい売場になっている。
精肉売場は正面壁面右側の約46尺で加工肉につなげている。しゃぶしゃぶ、ステーキ、焼き肉などメニュー別で商品提案をする陳列もしていた。
調査日の24年6月1~2日に行われていた「大感謝祭」では、鮮魚売場に対抗しているかのような販促が見られた。1日は国産黒毛和牛「肩肉スライス焼き肉用」(100g580円)、2日も国産黒毛和牛「切り落とし(モモ・肩・バラ)」(398円)を揃え、黒毛和牛を前面に打ち出す。
メニュー別の商品提案では、豚しゃぶ向けにカナダ産「豚ロース肉しゃぶしゃぶ用」(138円)、「国産豚バラ肉」を3割引きで販売。焼き肉は国産黒毛和牛「焼き肉盛り合わせ4点盛り」(320g1880円)を提供していた。ステーキは価格訴求で豪州産「牛肩ロース肉ジャンボステーキ用」(100g268円)を揃え、関連して「ワイン1割引き」を実施していた。また、鹿児島産の黒豚は1日に限り2割引きで販売。鶏肉はジャンボパック、加工肉は「鎌倉ハム」を扱っていた。
精肉は牛肉、豚肉をベースに構成しており、単価を意識した価格設定がされている。万全の管理体制と補充体制で、レベルの高さを感じる。
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