最新!アメリカ小売業トップ10社ランキング2021!10社すべて増収の衝撃!

松岡由希子(フリーランスライター)
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昨年来の新型コロナウイルスの感染拡大は、米国の小売市場にも大きな影響を及ぼした。食品小売業を中心に、消費者の生活様式やニーズの変化を的確にとらえ、ECのインフラ整備・強化を始め、素早く柔軟に対応した企業が総じて業績を伸ばしている。2020年の小売各社の販売額ランキングトップ10から、市場を俯瞰してみたい。調査協力=三井物産戦略研究所 文中の日本円表記はすべて1ドル=110円換算

20年の小売販売総額は約380兆円 食品小売&ホームセンターが絶好調

 米商務省が発表した2020年の米国小売業の販売総額は、対前年比3.1%増の3兆4562億ドル(約380兆1820億円)だった。販売額上位10社の顔触れには前年から変化はなく、トップのウォルマート(Walmart)にEC専業のアマゾン・ドット・コム(Amazon.com、以下アマゾン)が続き、3位にドラッグストア(DgS)最大手のCVSヘルス(CVS Health)、4位に食品スーパー(SM)最大手のクローガー(Kroger)がランクインした。

 内食需要の高まりにより、ウォルマート、クローガー、9位のアルバートソンズ(Albertsons)など、食品を扱う小売企業はとくに好調で、販売額が前年から2ケタ増となった。また、幅広い世代にわたり消費行動がデジタルへとシフトしていることを背景に、アマゾンは業績を大きく伸ばしている。巣ごもり消費の拡大により、DIY商材を中心に需要が増え、ホームセンター(HC)の二大チェーンである8位のホーム・デポ(Home Depot)や10位のロウズ(Lowe’s)の販売額も前年から2ケタ増となった。

ウォルマート&アマゾン リアルとネットの2大巨頭はオムニチャネル化加速!

 このうちウォルマートは、20年度のEC売上高が対前年度比79%増と大幅に伸び、業績を牽引した。コロナ禍でEC需要が急増するなか、全米に広がる店舗網を生かしたオムニチャネル化を加速。オンラインで注文した商品を店舗で受け取る「グロサリー・ピックアップ(Grocery Pickup)」を約3750店舗に拡大するほか、約3000店舗で当日配送サービスを実施している。

アマゾンゴー
アマゾンのレジレス店舗「アマゾンゴー」

 アマゾンは、主力のEC事業に加え、米国で26店舗を運営するレジレス店舗「アマゾン・ゴー(Amazon Go)」など、デジタルテクノロジーを活用した新たなリアル店舗の業態を次々と展開している。また、20年11月には、有料会員制プログラム「アマゾンプライム」の米国会員を対象に処方せん薬をオンラインで購入できる「アマゾン・ファーマシー(Amazon Pharmacy)」を開始し、医薬品市場にも本格的に参入した。

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