LINEとヤフー… 進むEC各社の事業再編、小売業界は高みの見物で良いのか?
EC事業者の中期的な目論見を推察する
しかし中長期的にみれば、こうした動きがリアルの小売業へ確実に影響を及ぼすことに異論は少ないと思われる。私なりに整理すると、EC事業者の中期的な目論見は次の通りではないだろうか。
① 品揃え・デリバリー・決済の領域で、リアルの小売事業者に対して少なくとも劣性ではなくなる。
②モバイルインターネットと金融決済基盤を活用し、消費者個人および消費者グループの嗜好・購買履歴を蓄積し、この点でリアル小売業者に対して優性に立つ。
③消費者個人に欠かせないポータブル・コンシェルジュとなり、広告から決済までの過程を丸抱えしトータルで収益を出す。自社モバイルユーザーには一歩進んだユーザー・エクスペリエンス(UX)を提供する。
①については、例えば楽天が自社の物流網整備を続けていること、
②については、個人情報に関する法規制や個人の認識、ハード・
③は、モバイル端末を介して常に消費者に寄り添いながら、広告・
小売事業者が今取り組むべきこととは
以上を踏まえ、
- 自社出店およびM&Aによる規模確保、サプライヤーとの関係強化、収益率の改善
- PBの深堀り
- 自社アプリ・ポイントカード等の稼働率アップ
- 自社金融事業(例えばクレジットカード事業)の深堀と情報活用
ということになるだろう。
しかし、上で述べたように、
なお、
プロフィール
椎名則夫(しいな・のりお)
都市銀行で証券運用・融資に従事したのち、
米系証券会社のリスク管理部門(株式・クレジット等)を経て、
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