週刊コンビニニュース　セブン－イレブンがデジタル店舗を活用しアイデアを創出、ほか

2019/10/22 06:20

ダイヤモンド・リテイルメディア　流通マーケティング局

1週間のコンビニに関するニュースをまとめた『週刊コンビニニュース』。市場環境が激しく変化する小売業界だが、次の一手を検討するためのデジタル・IT技術の活用が始まっている。セブン－イレブンでは、「レジ無しデジタル店舗」で、省人化・無人化の検討などの取り組みを進める。新しい出店フォーマットの足掛かりとして今後注目だ。（10月16日から22日のニュースをまとめました）

NTTデータのデジタル技術実験施設「AQUAIR（アクエア）」でレジなし店舗の研究 — 東京・六本木にあるNTTデータの施設内で業務オペレーションなどを検証する

① セブン－イレブン
中国・湖南省に初出店

　10月17日、セブン&アイ・ホールディングスの完全子会社であるセブン－イレブン（中国）投資有限公司は、中国中部エリアでのコンビニエンスストア市場に着目し、同省におけるフランチャイズ権を湖南友阿便利(こなんゆうあべんり)超市(ちょうし)管理(かんり)有限(ゆうげん)公司(こんす)に付与した。2020年春をめどに、省都の長沙市でセブン－イレブンの店舗を展開する。湖南友阿便利超市管理有限公司の親会社である湖南友誼阿波羅商業股份有限公司は、百貨店やコンビニエンスストアなど、広く流通業に取り組み、長沙市で認知度が高い。セブン－イレブン事業の展開によって、流通の近代化と利便性の向上を図る。

　セブン‐イレブン・ジャパンは、中国のエリアフランチャイザーであるセブン‐イレブン（中国）投資有限公司と連携しながら、支援を行っていく。

・エリアフランチャイザー：セブン‐イレブン（中国）投資有限公司
・エリアフランチャイジー：湖南友阿便利超市管理有限公司
・本社所在地　：湖南省長沙市
・出店開始予定：2020年・春

②ファミリーマート
大阪のストアスタッフ洪庵の新商品発売

　10月22日から、ファミリーマートは、大阪府内で働くストアスタッフが発案したスイーツ「紫芋のモンブランパフェ」（本体276円、税込298円）を、関西地域2府4県のファミリーマート約2,600店で、期間限定発売する。

　関西地域において、ストアスタッフ発案の商品は、2018年11月の「大満足!てんこ盛弁当」、2019年9月の「キャラメル風味のスイートポテト」に次ぐ。

　ストアスタッフから商品アイデアを募集し、総数112種類の中からストアスタッフ・社員によるアンケートなどを経て発売が決まった。

　上品な甘みの紅あずまペーストと自家炊きのカスタードクリームの上に、北海道産生クリームをブレンドしたホイップクリームと、沖縄産紫芋を使った紫芋クリームを乗せた。

・「紫芋のモンブランパフェ　～4層仕立て～」（税込298円）

③セブン－イレブン
「深夜休業ガイドライン」を制定

　セブン－イレブン・ジャパンは、加盟店オーナーの経営環境を支援するため、営業時間短縮の検討の一環として「深夜休業ガイドライン」を新たに制定し、11月1日から各加盟店へ向けて配布する。

　深夜休業の実施は、お客の利便性、加盟店の売上・利益、取引先への対応など、さまざまな影響が想定されるため各店舗でガイドラインに沿ってテストを実施し、その後加盟店のオーナーの判断で進める。

④ローソン
農業高校の学生らと商品を共同開発

　10月23日から、ローソンは、青森県内のローソン店舗267店で、青森県立柏木農業高等学校（青森県平川市）の生徒らと共同開発したベーカリー「柏木農業高校りんごともものカップケーキ」（税込198円）を発売する。

　今回、同校の生活科学科2年生の8名が青森県の豊かな食材を発信したいと考案した。地域に密着して地地消を進めるローソンの取り組みと合わさり、商品化が実現した。

　青森県産りんごのシロップ漬けをのせて焼きあげたカップケーキと、もものシロップ漬けをのせて焼きあげたカップケーキの２個入の商品。生地には青天の霹靂の米粉を配合したしっとり食感に仕上げた。

・「柏木農業高校りんごともものカップケーキ」（税込198円）

⑤セブン－イレブン
デジタル店舗の研究を開始

　10月17日から、セブン‐イレブン・ジャパンは、次世代の購買体験・店舗運営における課題抽出やアイデア創出を目的に、NTTデータのデザインスタジオ『AQUAIR』内の実験店舗（模擬店舗）を活用した取り組みを始める。

　近年、流通・小売業界の市場環境は激しく変化しており、コンビニエンスストアをはじめとした小売店はデジタル・IT技術の活用が必要になっている。

　今回、協業パートナーであるNTTデータの「レジ無しデジタル店舗」の実験店における購買体験や、店舗運営に関する課題抽出、議論を通じ、新たなビジネスモデルの可能性について研究を行う。また、省人化・無人化の検討や、新たな出店フォーマット、効率的な店舗オペレーションなどについて取り上げ、今後の実証実験につなげる。

　同社は、革新的な技術を取り入れながら、買物のしやすさと働きやすさを両立した店舗の開発を推進していく