究極のセルフサービス?「セルフレジ率95%」をめざす三洋堂新業態店の狙い

成相裕幸
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開店から1か月の月商は?セルフレジ利用率は94%!

開店1カ月の月商は目標金額に対して約90%の水準。これはμPLAT神宮前にくる来店者が主婦やメーン乗降客の学生、サラリーマン層と予想していたが、地域住民の高齢者層が多かったこと、さらに緊急事態宣言の発令や東京オリンピックやお盆休みで人の流れが減る要素が重なったと業態開発室の加藤正康氏は分析している。

クリック&コレクトの月商目標に対して初月は30%強とこちらも届かなかった。ただ、130件くらいの注文が入る日もあり、土日祝日の搬入がない日をのぞいた1営業日でならすと1日平均10件程度。セルフレジ利用率は94%とほぼ目標通りだったが、想定よりも来客層が多かった高齢者が有人レジを希望するケースが多かったためだ。

セルフレジについては1050代くらいの若い顧客層は、最初に店員がアテンドすれば次回はほとんど問題なく利用できている。一方で、高齢者層は「(使い方が)わからない」「つかいづらい」とのネガティブな反応が大半だが、一部では「今はどこも機械だから慣れないとね」と使えるように努力する姿勢をみせてくれる人もみられる。

開店から1カ月、来店者のアテンドに必要な場面は少しずつ減ったことで、1人での運営も可能な道筋も見えてきたという。これから売上増につながる発注や売場変更に人時をかけられるように運営を組み立てていく予定だ。売上目標達成については、当初予想よりも需要が多く見られた雑誌の売場拡大や売れ筋のビジネス書やコミックを中心とした定期発注をすすめる。クリック&コレクトも、自社サイトからの注文でポイント還元率を上げたり、店内に貼っているQRコードからのアクセスでポイント進呈など定期的なキャンペーンで、利用率増につなげていく。

クリック&コレクトがどれだけ書店経営に資するかは未知数だが、セルフレジ以上の省力化は見込めることは確かだ。次の段階にあるのは、ウェブで注文してわざわざ書店に足を運んで取りに来る購入者に、それ以外の商品に目をむけてもらうための店頭展開の工夫となる。ウェブ起点からリアル店舗への誘導、そして店舗で来店者に新たな興味関心を喚起してもらうために何が必要か。その施策でクリック&コレクトの評価も定まってくるだろう。

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