気鋭のアナリストが解説するPPIHの22年6月期決算と今後の戦略とは

風早 隆弘(UBS証券シニアアナリスト/コンシューマー・セクター ジャパン・ヘッド)
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ドン・キホーテ(東京都/吉田直樹社長:以下、ドンキ)を抱えるパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(同:以下、PPIH)は2022年6月期決算と中長期経営計画を発表した。33期連続の増収増益を達成した同社は、今後どのような戦略を描いているのか。クレディ・スイス証券の流通アナリスト、風早隆弘氏が解説する。

国内DS事業で粗利率改善が進む

 PPIHの22年6月期の連結決算は売上高1兆8312億円(対前期比7.2%増)、営業利益886億円(同9.2%増)、経常利益1004億円(同23.3%増)、当期純利益619億円(同15.2%増)で33期連続の増収増益を達成した。

 この記録も素晴らしいが、それ以上に驚いたのは利益で当初の計画を達成したことだ。売上高では未達だったものの、営業利益は計画比4.3%増、経常利益は同21.0%増、当期純利益は同7.5%増と大きく伸長した。第1四半期ではコロナ禍の外部要因などもあり営業利益が対前年同期比71億円減と出遅れたものの、第2~4四半期で巻き返しに成功している。

UDリテールはユニー不採算店を、ドン・キホーテとのダブルネーム店舗に転換し、GMS改革を進めている(写真は岐阜県可児市の「ドン・キホーテUNY可児店」)
。33期連続の増収増益を達成した同社は、今後どのような戦略を描いているのか。(写真は岐阜県可児市の「ドン・キホーテUNY可児店」)

 とくに国内DS(ディスカウントストア)事業では、プライベートブランド(PB)などの独自商品強化による粗利率の改善や以前から取り組んでいる生産性の向上による販管費削減などに注力。これらが奏功し、同事業の通期の営業利益は対前期比137億円増となった。

PB強化で粗利率向上と差別化を両立

 決算と

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