「#ワークマン女子」から「Workman Colors」へ 売場・商品はどう変わった?
作業服および作業関連用品の専門店チェーンを運営するワークマン(群馬県/小濱英之社長)は1月23日、2020年10月から展開している「#ワークマン女子」を「Workman Colors(ワークマンカラーズ)」に改名することを発表した。
同社はアウトドア、スポーツ、レインウエアの専門店「WORKMANPlus」の展開を発表した18年以降、女性向けのウエアを多く展開する「#ワークマン女子」など、徐々にカジュアルアパレルに進出してきた。変化が激しい一般アパレル業界の中で、ワークマンはどのような戦略で「Workman Colors」を成功に導くのだろうか?
「Workman Colors」で年間40店出店をめざす
ワークマンの25年3月期第3四半期累計(4~12月)は、営業総収入が対前年同期比1.4%増の1076億円で増収、営業利益は同0.0%減の206億円とほぼ横ばいだった。商材別の売上高を見ると、衣料品、服飾小物、シューズなど、一般向け商材の売上高が同28.7%増と全体をけん引していることがわかる。
この数字が表すように、現在のワークマンにとって、一般向け商材の重要度は高い。同社は18 年に「WORKMAN Plus」を発表し、20年には「#ワークマン女子」を展開。アウトドア・カジュアルウエアなど、商品の開発を進めてきた。
そして、25年1 月、「#ワークマン女子」を「Workman Colors」へ改名することを発表し、さらに一般向け商材の販売に力を注ぐ構えを見せている。

今回の屋号変更に伴い、「#ワークマン女子」は改装による屋号転換を進め、将来的にすべての店舗を「Workman Colors」に切り替える。同社は2月20日に「Workman Colors発表会&春夏新製品発表会」を開催し、屋号変更の第1弾として同日、新店の「Workman Colors桜井店」(奈良県桜井市)のほか、改装店3店舗を含む計4店舗を一挙にオープンした。
その後、3月7日に「#ワークマン女子」の旗艦店だった「コレットマーレ桜木町店」を改装オープンし、4月18日は東北地方の旗艦店として「イオンモール名取店」(宮城県名取市)、4月24日には関西地方の旗艦店として「ららぽーとEXPOCITY店」(大阪府吹田市)を新規出店。
25年11月末までに新店40店舗と改装店13店舗をオープンし、その後は毎年40店舗の出店を目標に掲げ、7年後の32年中に400店体制をめざす。

新店11店の成功を受けローカルへの出店に舵
「#ワークマン女子」の名前が浸透してきた今、なぜ改名を発表したのか。
ワークマンはこの問いの答えに、今後の品揃え、製品コンセプト、業界内での立ち位置が固まったことを挙げている。
そのきっかけとなったのが、24年秋に出店した「#ワークマン女子」の新規路面店11店の成功だ。
これらの店舗は人口3~8万人の地方都市を中心に出店し、全店で全国平均を上回る売上高(出店月単月)を記録した。この成功により、国内カジュアル衣料のトップ企業2社にも負けない市場競争力があると判断。以降は400店体制に向けて、出店の方針を「都会・商業施設内・直営出店」から「地方・ロードサイド・フランチャイズ出店」へ移行している。
ただ、地方への出店を進めるに当たり、
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