ヨークHD再成長の命を握る?「ヨークパーク」の全貌とは

取材・文:上林 大輝 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)
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ヨークベニマル(福島県/大髙耕一路社長)は3月14日、福島県郡山市に大型商業施設「ヨークパーク」をオープンした。

旧「イトーヨーカドー郡山店」を承継し、食品スーパー(SM)の「ヨークベニマル」を核店舗に、同じヨーク・ホールディングス(東京都/石橋誠一郎社長:以下、ヨークHD)のグループ企業をはじめとした各専門店をテナントに迎え、新たな総合スーパー(GMS)のかたちにチャレンジしている。

ヨークベニマルとしても、ヨークHDとしても重要な位置づけとなるヨークパークの全貌をレポートする。

ヨークHDを「象徴する店」に

 2024年10月、セブン&アイ・ホールディングス(東京都/井阪隆一社長:以下、セブン&アイ)はイトーヨーカ堂(東京都/山本哲也社長)、ヨークベニマルなどを含む「SST事業」を統括する中間持株会社のヨークHDを設立。“非コンビニ事業”を分離する方針を発表した。

 これに伴い、同社傘下にはヨークベニマルをはじめ、赤ちゃん本舗(大阪府/味志謙司社長)、ロフト(東京都/安藤公基社長)など29社が連なるかたちとなった。

ヨークパーク外観
グランドオープンを迎えたヨークパークは、ヨークベニマルが旧イトーヨーカドー郡山店を継承して開発した

 そして25年3月、セブン&アイはヨークHDを米投資ファンドのベインキャピタルへ8147億円で売却することを発表。セブン&アイは35%の持株分を再出資する契約となっているが、実質的にはベインキャピタルをパートナーとする新体制のもと、早期のIPO(新規上場)をめざして再成長を図る方針だ。

 そんなヨークHDの今後の成長戦略において重要な役割を担うのが、3月14日にグランドオープンを迎えた「ヨークパーク」である。24年5月に閉店したイトーヨーカドー郡山店をヨークベニマルが承継、開発した大型商業施設で、地上5階建て、1~4階が売場となっている。

 1~2階では、「ヨークベニマル西ノ内店」(以下、西ノ内店)が食品・衣料品売場を展開。3~4階には、同じヨークHD傘下の「ロフト」「赤ちゃん本舗」など県内・市内初出店を含む36のテナントが入る。

 また、テナントリーシングについても、

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取材・文

上林 大輝 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

2000年生まれ。埼玉県出身。法政大学文学部英文学科卒業後、地方新聞社の営業職を経て株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。

流通小売の専門誌「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部で執筆・編集を行う。

趣味はお笑い鑑賞、音楽鑑賞。一番好きなアーティストは椎名林檎。

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