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この値段でこのレベルの高さ!スーパーのコンサルが唸ったトライアル の総菜の実力とは

調査・文:海蔵寺りかこ (KTMプラニングR代表)
構成:ダイヤモンド・チェーンストア編集部 (株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア)
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トライアル大

明治屋の緻密な戦略により、大きな変化を遂げているトライアルの総菜。ただ、食品スーパー(SM)のプロの視点から見るとどのように映るのだろうか。そこで、総菜を中心とした店舗・売場調査で本誌おなじみの海蔵寺りかこ氏が、総菜の最新MDが導入されている「トライアルスーパーセンター上熊本店」(熊本県熊本市)を訪問。売場調査や商品の試食、明治屋の大塚社長への取材を通じて、トライアルの総菜の強みと課題を分析した。

「料理のプロ」とデータが融合

 上熊本店および明治屋の総菜に関してまず驚いたのは、その開発手法とオペレーションである。研鑽を積んだプロの料理人によるメニュー開発と、トライアルが元来得意とするマニュアル化、データ活用の仕組みが融合している。それによって、プロの味付けの総菜をどの店でもつくれ、かつロスを極力出さないオペレーションが確立されている。

最新MDが投入されているトライアル「上熊本店」の総菜売場
最新MDが投入されている「上熊本店」の総菜売場

 商品開発に料理のプロが介入することも、商品・売場づくりにデータを活用することも、それ自体は今や決してめずらしいことではない。しかしその2軸を常に“シンクロ”させながらサイクルとして回し続けている企業は意外に少ない。

 もう1つ特筆すべきは、担務が明確に割り振りされている点である。一般的な食品小売の商品部においては、商品開発、棚割り、販売計画、場合によっては店舗フォローなど数多の業務が存在し、限られた人数の中でやりくりしていることが多い。

 しかしトライアルにおいては綿密なコミュニケーションを取りながら、明治屋が商品開発、製造に専念し、販売施策や店舗オペレーションにおいてはトライアルがサポートするという体制がとられているようである。それがクオリティの高い商品を数々展開していることにつながっているのだろう。

総菜の常識を覆している

 それに関連して、筆者がやはり何より驚いたのは、

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調査・文

海蔵寺りかこ / KTMプラニングR 代表

食品コンサルタント
1級色彩コーディネーター、カラーデザイナー、UCアドバイザー

大阪府吹田市出身。広島大学卒業後、イトーヨーカ堂で食品事業部の計画や販促企画を担当し、惣菜部のシニアマーチャンダイザーに就任。​その後、ヤオコーで営業企画部クッキングサポート担当部長として提案型マーチャンダイジングに従事。​現在はKTMプラニングRを起業し、食品スーパーやメーカーのMDサポートを行うほか、データコム株式会社のアドバイザーとして小売業支援に携わっている。

KTMプラニングRホームページ

構成

ダイヤモンド・チェーンストア編集部 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア

ダイヤモンド・チェーンストア編集部は、業界をリードする提案型編集方針を掲げ、小売業の未来を読者と共に創造します。私たちは単なるニュース伝達に留まらず、革新的なビジネスモデルやトレンドを積極的に取り上げ、業界全体に先駆けて解説することを使命としています。毎号、経営のトップランナーへの深掘りインタビューを通じて、その思考や戦略を読者に紹介します。新しくオープンする店舗やリニューアルされた店舗の最新情報を、速報性と詳細な分析で提供し、読者が他では得られない洞察を手に入れられるよう努めています。私たちの鋭い市場分析と、現場の細部にわたる観察を通じて、注目すべき店舗運営の秘訣を明らかにします。

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