これから定着が予想される催事提案はこれだ！ 消費者が支持する日本の食慣習とは

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　新型コロナウイルス（コロナ）感染症拡大で遠出や外食が制限されるなか、食品スーパー（SM）では家庭で過ごす時間を充実させるような季節に即した催事提案が求められている。では、すでに消費者に根付き、大きな商機が見込める催事提案とは何か。ホットペッパーグルメ外食総研の調査をヒントに見ていこう。

世界的に注目される
日本の食習慣

　日本には多くの食文化、食の慣習が存在する。

　2013年には日本人の伝統的な食文化「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録された。その概要には「和食」の4つの特徴が記述されている。

　まず、海と山に囲まれた地形を生かし、多様で新鮮な食材を使いながらその持ち味を生かしていること。つぎに、栄養バランスに優れていること。そして四季の美しさや季節の移ろいを表現していること。最後に、正月などの年中行事と密接に関わっていること。とくに4つ目は、「食事の時間をともにすることで家族や地域と絆を強化してきた」と指摘されている。

　今回のテーマに掲げた「時節ごとの食の慣習」はこれに該当し、まさに「和食」の根幹にあるものと考えてよいのではないだろうか。食は人を創り、人の輪を創る。さらには、食を通じて地域、世の中が元気になる。そんな和食のエッセンスが、世界的に評価された要因の１つといえるだろう。

　さて、日本には多くの年中行事と密接にかかわった食事が存在する。縁起をかついだものや時節柄のもの、古くから伝わる日本の慣習に沿ったものだけではなく、クリスマスなど海外の文化が日本で独自に進化し根付いたものもある。１つひとつの食の慣習についてその歴史を紐解きたいところではあるが、そのなかでもどんな食文化が消費者に支持され、根付いているのか。ホットペッパーグルメ外食総研が21年12月に実施した「日本の慣習で決まった時期に飲食しているもの」についての調査結果（図）から紐解きたい。

1位は「年越しそば」
約７割が「毎年食べる」

　ランクインした項目は大きく分けて「大切な意味が含まれた、日本に古くから伝わる伝統的な食習慣」と「華やかでイベント性の高い食習慣」の２つにカテゴライズされる。まずは前者の「日本の伝統的な食習慣」に該当するものから見ていこう。

　断トツの1位は「年越しそば」だ。7割近い人が毎年食べるという驚きの支持率だった。長いそばを食べることで「長生きしますように」という意味が込められており、日本に最も定着している食文化の１つといっても過言ではない。毎年、年の瀬になると蕎麦店に行列ができるのは日本の風物詩だ。カップ麺のそばを気軽に手に取れるようになったことも人気に貢献しているといえるだろう。

　第2位に輝いたのは「おせち」である。簡易的なものから、1品1品手づくりでその家庭の味を伝承しているもの、百貨店やレストランが販売する豪華おせち重など、さまざまなものが存在する。近年はフレンチやイタリアン、アジアン料理のおせちまで登場している。

　そもそもおせちには「正月くらいは台所を休ませる」「日々料理をする家事担当を休ませる」といった意味があり、それぞれの料理にも「くわいは芽が出ますように」「田作りは子孫繁栄」などの願いが込められている。家族が集まり、そのような願いを伝承しながらいただくのもまさに、無形文化遺産に登録された「和食」の定義に沿っている。

　そのほか、1年の無病息災を願い、正月で疲れた胃を休めるという意のある「七草がゆ」は第7位。第4位の「節分の恵方巻」、6位の「土用の丑の日のうなぎ」なども、健康や繁栄、多幸など人々にとって大切な願いが込められた食文化なのだ。この多くは、食に感謝し、その大切さを見直す大切な慣習であると筆者も感じている。

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