「フード&ドラッグ」の最終形態へ?クスリのアオキの戦略、強み、新フォーマットを徹底解説!
新中計が体現する「変化」の道筋
クスリのアオキの「変化」を鮮明に表しているのが、同社が2021年7月に発表した第3次中期経営計画(22年5月期~26年5 月期)「ビジョン2026」である。この新中計では、26年5月期までに売上高5000億円をめざすという壮大な目標を設定。その達成のための重点施策として掲げたのが、①「フード&ドラッグ」への転換を目的とした主力フォーマットの変更、②調剤併設率向上、③ドミナント強化の3つであり、これこそがクスリのアオキの将来に向けた“進化”の方向性を示したものだ。
まず①については、それまで標準フォーマットであった300坪型と、生鮮のコンセッショナリー(コンセ)を導入した大型の450坪型(同社では「次世代型」とも呼称)の中間に当たる400坪型を新たに開発。その背景には、300坪では同業との大きな差別化が難しく、450坪型は集客力・競争力の高さはあるが大量出店が難しいという課題がある。そこで、生鮮を含むクスリのアオキならではの品揃えは維持しつつ、出店スピードが維持できる400坪を新たな標準フォーマットとし、今後は新規出店の約50%が同フォーマットになるという。
②の調剤併設率については、すでに有力DgSの中では3位にあたる現状の6割弱から、26年5月期までに70%まで引き上げることを目標に設定。それに先立って薬剤師の新卒採用を強化しており、既存店への新設を含め、調剤薬局の新規開局を進めていく。クスリのアオキとしてはこれによって、調剤に強い競合DgSからのシェア奪取、そして食品+DgS商材+調剤薬局という圧倒的な競争力を持つフォーマットの構築をねらう。
そして③については、これまで進めてきた「エリア拡大」から「ドミナント強化」へと出店方針を転換。すでに進出している地域でのシェア拡大を図るべく、従来(1万人)よりも少ない5000人の商圏人口で成立する店舗の出店を加速していく。その主軸となるのが、前出の400坪タイプの新・標準フォーマットである。
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