味の素 2015年 好調スタート

2015/07/08 00:00
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 7月7日。味の素(東京都/西井孝明社長)は、「2015年秋季新製品試食説明会」を開催した(@品川プリンスホテル)。同社取締役 専務執行役員 食品事業本部長の品田英明氏の話を抄録する(談:文責・千田直哉)。

 

「2011年以降、食料にかける支出は増加傾向にある。消費税増税後は、個人消費が緩やかに持ち直し、総じて回復基調にある。生活者の景況感も持ち直してきており、今後の見通しは明るい」。

 

「一方で、生活者の中には『節約志向』と『贅沢志向』が同居しており、依然としてメリハリのある消費が続いている。費目別に見ると、『旅行』『家電製品』『自動車』などが横ばい傾向にある半面、『食料品』や『衣類』に対する消費意欲が高く、日々のちょっとした贅沢を味わいたいという意識がある」。

 

「そうした傾向を受けて、外食、中食、内食の関連企業はともに、生活者のメリハリ消費に対応している。その結果、外食のファミリーレストランは客単価が3年連続で上昇。中食のコンビニエンスストア各社は、高価格帯のおにぎりなどのラインナップに努めている。内食では食品メーカーがさまざまな切り口で付加価値の高い商品を提案している。高付加価値商品の切り口は、①大人向け、②プレミアム、③農地限定・限定素材、④調理短縮・即食、⑤健康マインド対応、⑥製法などへのこだわり、である」。

 

「急速に変化する社会を背景に、食における生活者ニーズは、属性やライフスタイルも含めてますます多様化している。モノを選ぶ基準は、引き続き、『価格』より『自分にとっての価値』が重要になっている」

 

「さて、味の素の販売状況は、2014年4月から2015年3月までがちょうど横ばいといったところ。しかし2015年4月~6月までの第1四半期は対前期比5%増で伸長している」。

 

「味の素は、既述の多様化する生活者の意識をとらえたマーケティングを展開した。その中から生まれたいくつかの商品は2014年度も好調に推移している。たとえば、『Cook Do® きょうの大皿』は、魚メニューの〈鮭バター醤油用〉や〈さば味噌用〉を発売。これらを含めた充実した商品ラインアップで対前年度比30.8%増だった。また、『これ1本で、麺・スープ・炒めもの』などさまざまな料理をつくることができる節約性や汎用性が支持され『Cook Do® 香味ペースト』は同39%増を達成した。さらに『鍋キューブ®』は、『値段が手ごろ』、『買い置きがしやすい』、『好みの分量で使える』ことに加え、おいしい鍋をつくることができることを訴求したCM効果も相まって、同27.5%増を記録した」。

 

「発売直後に欠品してしまった『Toss Sala®』は、サラダ用シーズニングとして、当初ターゲットにした有職主婦のみならず、幅広く受け入れられている。店頭取扱率は、CM放送前週は55%だったが、CM放送週には70%になった」。

 

「2015年秋季は、“イマドキの一汁三菜”が実現できる新しいワンプレートごはんメニューを提案する『Cook Do® おかずごはん』の3品を新発売する。〈アジアン鶏飯用〉〈豚おこわ飯用〉〈鶏カレー飯用〉の3品だ。また、『Cook Do® きょうの大皿』からは『味しみ ぶり大根用』を発売する。さらに、うま味調味料『味の素®』と『うま味だし・ハイミー®』は品種、容量、価格を改定。パッケージもリニューアルして、ブランドを強化した」。

 

「味の素は、お客さまの多様化するニーズと価値観をとらえ、Specialty(独自価値)を持った製品を出し続ける。この秋季の商品にも期待してほしい」。
 

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