値上げラッシュでも主婦の財布の紐が”つい”緩んでしまう加工食品売場とは

2023/06/26 05:45
平塚 千晶 (家計簿・家計管理アドバイザー)
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値上げ時代の加工食品売場に期待すること

 加工食品売場は、どの店舗も同じ大手メーカーの主流商品ばかり扱いがちです。しかし、筆者は加工食品売場でどのような商品を扱っているかによって、店舗の個性が出ると感じています。

 たとえば、売れ筋とは別に、目新しい商品が入れ替わり登場するコーナーを備えた加工食品売場などをみると「工夫されているな」「頑張っているな」と感じ、販売意欲が刺激されます。

 先日、筆者が日ごろ利用する食品スーパーの別店舗を訪れた時のことです。その店舗の加工食品売場に足を向けると、いつも通っている店舗とは取り扱っている商品がまったく違ったのです。

 もちろん、すべての商品が目新しいわけではないのですが、「この加工食品はいつもの店舗では見たことがない」「この商品は利用したことがないので試してみたい」など、食卓の変化が期待できそうな商品がいくつもあり、頑張りや工夫を感じました。そして、店舗を何周もしたうえで、目新しい商品につい手が伸びてしまいました。

 このように、不思議と頑張りや工夫を感じる売場には、値上げ時代であっても、「つい財布の紐が緩んでしまう」のです。

 なんでも値上げされる時代だからこそ、決まった定番品はより安く購入したいものです。しかし、だからといって「よくある大手メーカーの主流商品」ばかりの店舗には、意外性を感じません。

 「こんな商品があったのか」と消費者に気づきを与えてくれるような提案力のある加工食品売場はまだまだ少ない印象なので、「今度はどんな商品を買おうかな」「また行ってみたいな」と買い物が楽しみになるような売場の増加に、今後も期待しています。

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記事執筆者

平塚 千晶 / 家計簿・家計管理アドバイザー

東京都在住。主婦歴20年以上。夫と子ども3人の5人家族。結婚と同時に家計簿をつけ始め、家計簿、家計管理、ポイ活などに詳しい。主婦業を中心とした執筆も多数あり、雑誌などへの掲載も多数。日本テレビ、フジテレビ、NHK、テレビ東京などにも出演。著書に「あきの新ズボラ家計簿(秀和システム)」「ズボラ家計簿」練習帖(講談社)など。

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