中国経済に深い傷痕=倒産や失業、成長の重荷―ゼロコロナ終了3カ月

時事通信社
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買い物客でにぎわう中国成都市中心部
〔写真説明〕買い物客でにぎわう成都市中心部=2月20日、中国四川省成都市(時事通信社)

 中国が新型コロナウイルス感染拡大を徹底的に抑え込む「ゼロコロナ」政策を昨年末に終了して3カ月。コロナ禍は企業倒産や若年層の深刻な失業といった深い傷痕を残した。政府は冷え込んだ景気の回復を急ぐが、容易ではない。

 「足元の発展はさまざまな困難と試練に直面している」。李克強首相は5日開幕した全国人民代表大会(全人代)の政府活動報告で危機感をあらわにした。政府は2023年の経済成長率目標を「5%前後」に設定。前年目標より0.5ポイント低く、厳しい景気認識を反映したと受け止められている。

 中国では22年、ゼロコロナで上海市や四川省成都市がロックダウン(都市封鎖)となった。ゼロコロナ終了で、経済は正常化に向かっている。成都市中心部は人出でにぎわい、30代女性は「人混みは(23年1月下旬の)春節(旧正月)ごろを境に目立って増えた」と話す。

 もっとも、消費が順調に回復するかは不透明だ。政府活動報告では23年の失業率目標が「5.5%前後」と、22年の「5.5%以内」から後退した。雇用は特に若者で持ち直しが遅れ、家計の購買力も落ち込んだまま。四川省では「失業した」「会社から給与が支払われなかった」と、人々の生活不安は根強い。

 米金融大手ゴールドマン・サックスはリポートで「家計は消費に引き続き消極的だ」と分析。習近平指導部が重視する内需が盛り上がらなければ、景気回復のハードルは高くなる。 (成都=中国四川省=時事)

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