「ヤオコー東大和清原店」に見る、絶好調デリカ部門の打ち手

大宮 弓絵 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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店舗に割卵機を導入
卵を強みに商品拡充

 質や味の面では、店内調理の出来たて商品の提供で差別化を図る。おにぎりも店内手作りの商品の品揃えを充実。同カテゴリーの売上は前年実績130%で推移しているという。「肉手巻むすび&俵えび天むす」(498円:税抜、以下同)など、食事が完結するようなボリュームある商品も提供し、人気商品となっている。

手作りおにぎり
店内手作りのおにぎりの売上は前年実績130%で推移する
「肉手巻むすび&俵えび天むす」
人気商品「肉手巻むすび&俵えび天むす」

 質や味の向上させるために設備投資も行う。ヤオコーは以前より店内に割卵機を導入し、液卵ではなく生卵を使って味を追求した商品で差別化を図る。これを強みに、最近では総菜やベーカリーで、卵を使った商品のラインアップを広げている。たとえば、さまざまな弁当のおかずの1品に卵焼きを入れるほか、たまごフィリングを挟んだサンドイッチやドッグ商品を開発し、訴求している。

複数品
たまごフィリングを使ったドッグ商品
たまごフィリングを挟んだサンドイッチやドッグ商品
卵を使った商品のラインアップを広げている

若い世代が好む
素材を使ったメニューを

  近年ヤオコーが注力してきたのが、若い世代への対応だ。とくに20代~40代の「ヤングファミリー」層を取り込むべく、総菜部門でもさまざまな工夫が見られる。

まず若い世代に好まれる素材を使った商品を拡充している。東大和清原店では、ローストビーフを使った弁当を大きくコーナー化するほか、寿司売場ではフレッシュサーモンを使った商品を複数、開発し「フレッシュサーモン」コーナーとして展開していた。

ローストビーフを使った弁当を大きくコーナー化するほか、寿司売場ではフレッシュサーモンを使った商品を複数、開発し「フレッシュサーモン」コーナーとして展開していた。
ローストビーフを使った弁当
を大きくコーナー化するほか、寿司売場ではフレッシュサーモンを使った商品を複数、開発し「フレッシュサーモン」コーナーとして展開していた。
寿司売場で展開する「フレッシュサーモン」コーナー

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記事執筆者

大宮 弓絵 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

1986年生まれ。福井県芦原温泉出身。同志社女子大学卒業後、東海地方のケーブルテレビ局でキャスターとして勤務。その後、『ダイヤモンド・チェーンストア』の編集記者に転身。最近の担当特集は、コンビニ、生協・食品EC、物流など。ウェビナーや業界イベントの司会、コーディネーターも務める。2022年より食品小売業界の優れたサステナビリティ施策を表彰する「サステナブル・リテイリング表彰」を立ち上げるなど、情報を通じて業界の活性化に貢献することをめざす。グロービス経営大学院 経営学修士

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