「ヤオコー東大和清原店」に見る、絶好調デリカ部門の打ち手

大宮 弓絵 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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1品単価を抑えて
複数商品の購入を促す

 若い世代を取り込む施策として、新しいメニューの開発を進める一方で購入頻度の高い定番メニューの提案にも重点を置いている。具体的には、ファミリー層が買いやすい規格、価格で販売する。たとえば、とんかつを3枚購入すれば20%OFFとするなど、ファミリーにとって適した量を、お得感を持って買ってもらえるような提案をすることで購入を促しているという。

 量目対応によって売上を伸ばす工夫も行っている。
 ヤオコーは最近、既存商品の量目を少量にした「ちょっとがイイネ!」商品の開発を推進。また、自社工場で製造することで1品単価を押さえたパスタや総菜を充実させている。これにより、複数商品を組み合わせて購入することを促し売上アップを図る。

「ちょっとがイイネ!」
1つ298円のミニ丼を「ちょっとがイイネ!」商品として訴求する
yesyaoko
自社工場で製造する「eat!」シリーズのコーナー
工場製
自社工場で製造することで1品単価を抑える。パスタは498円と割安感がある
さまざまな商品
自社工場製のアジアン総菜。「タイ風ビーフン」や「豚キムチビーフン」(各398円)などバラエティ豊富だ

 このようにヤオコーの総菜が絶好調である背景には、さまざまな企業努力によって需要を掴んでいる事実がある。同社を好例に、業界全体で高まる総菜需要を取り込んでいきたい。

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記事執筆者

大宮 弓絵 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

1986年生まれ。福井県芦原温泉出身。同志社女子大学卒業後、東海地方のケーブルテレビ局でキャスターとして勤務。その後、『ダイヤモンド・チェーンストア』の編集記者に転身。最近の担当特集は、コンビニ、生協・食品EC、物流など。ウェビナーや業界イベントの司会、コーディネーターも務める。2022年より食品小売業界の優れたサステナビリティ施策を表彰する「サステナブル・リテイリング表彰」を立ち上げるなど、情報を通じて業界の活性化に貢献することをめざす。グロービス経営大学院 経営学修士

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