新しい総菜を提案する!ロック・フィールド3つの商品戦略とは

ダイヤモンド・チェーンストア編集部 (株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア)
Pocket

百貨店や首都圏の駅ナカを中心として「RF1」「神戸コロッケ」などの多彩な専門店群を展開する、総菜専門チェーン大手のロック・フィールド(兵庫県/古塚孝志社長)。コロナ禍を経て変化した消費者の中食ニーズをとらえ、冷凍食品やキットメニューで新たなブランドを立ち上げた。また、一次生産者とのつながりをさらに強化し、持続可能な食の実現に向けた取り組みを進める。

生産者と共創し持続可能な食環境実現

 ロック・フィールドは、「RF1」や「神戸コロッケ」「日本のさらだ いとはん」などのブランドを持ち、駅ナカや百貨店を中心として全国に308店舗を展開する(2024年1月末現在)。22年には、創業50周年を迎え、自社が進むべき方向性をまとめた「ビジョン2030」を策定した。その中で「多様な食文化を次世代へつなぐ」「場を、時間を、心を、自由にする『新しい惣菜』を提案する」「環境に配慮した取り組みを強化する」など“5つの約束”を盛り込んでいる。

 これらの約束を実現するために、「持続可能な事業プロセスへの進化」を重点方針として掲げる。その一環として取り組んでいるのが一次産業との連携強化だ。生産者がこだわりを持って育て上げた価値ある原材料を直接調達し、付加価値を加えて商品化する。旬の食材や日本の食文化を生活者へ発信することで、サステナブルなフードシステムの構築をめざしている。

百貨店や駅ナカの店
ロック・フィールドでは百貨店や駅ナカを中心に出店を行う。通勤・通学帰りに立ち寄るお客も多い

 また、小規模生産者に対してはロック・フィールド側が入荷用トラックを手配したり、離島や地方の魅力ある食材を積極的に採用して地域創生の支援をしたりと、一次産業の活性化のための支援にも取り組んでいる。

吉井康太郎氏
ロック・フィールド経営企画本部長の吉井康太郎氏

 商品開発においても産地とお客をつなげる施策を展開する。たとえば「足りないカラダに緑の30品目サラダ」(100gあたり400円:以下、税抜)では通常のドレッシングに加え期間限定で「三浦大根のおろしポン酢ソース」を選べるようにした。

 取締役経営企画本部長の吉井康太郎氏は「食の可能性を切り拓き、豊かな未来を共創する。」というロック・フィールドのビジョンに触れつつ、「食の未来を作るため、生産者と共創し、持続可能な食に貢献できる会社になることをめざしている」と語る。

冷凍食品やキットメニューで、新たな食のニーズに応える

 商品施策として力を入れているのが「冷凍食品」「キットシリーズ」「コアカテゴリーの磨き上げ」の3つだ。

 まず冷凍食品では、

続きを読むには…

この記事はDCSオンライン+会員限定です。
会員登録後、DCSオンライン+を契約いただくと読むことができます。

DCSオンライン+会員の方はログインしてから閲覧ください。

記事執筆者

ダイヤモンド・チェーンストア編集部 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア

ダイヤモンド・チェーンストア編集部は、業界をリードする提案型編集方針を掲げ、小売業の未来を読者と共に創造します。私たちは単なるニュース伝達に留まらず、革新的なビジネスモデルやトレンドを積極的に取り上げ、業界全体に先駆けて解説することを使命としています。毎号、経営のトップランナーへの深掘りインタビューを通じて、その思考や戦略を読者に紹介します。新しくオープンする店舗やリニューアルされた店舗の最新情報を、速報性と詳細な分析で提供し、読者が他では得られない洞察を手に入れられるよう努めています。私たちの鋭い市場分析と、現場の細部にわたる観察を通じて、注目すべき店舗運営の秘訣を明らかにします。

ダイヤモンド・チェーンストア編集部紹介サイトへ

関連記事ランキング

関連キーワードの記事を探す

© 2024 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態