ライフにヤオコーはすでに強化!スーパーの「非食品」強化がドラッグストア対策になる理由
PB開発にクロスMD……先進SMは非食品を強化中!?
そのような背景もあってか、先進的な食品小売はすでに非食品の強化に動き始めている。
たとえば、SM大手のライフコーポレーション(大阪府/岩崎高治社長:以下、ライフ)では、同じノンフーズでも「価格」と「価値」のどちらを強く訴求するのか、その役割をカテゴリーごとに明確化するという考えのもと売場づくりを行っている。トイレタリー用品ではDgSに負けない安さを打ち出す一方で、化粧品のような機能が重視されるカテゴリーでは楽しさや豊かさといった「価値」を訴求する、といった具合だ。
非食品の商品政策(MD)を検討していくうえでは、どうしても売場面積の問題がついてまわる。カテゴリーごとに価格や商品ラインアップにメリハリをつけることで、限られたスペースの中で売場の魅力を最大化するというのがライフの考えだ。
こうしたアプローチはヤオコー(埼玉県/川野澄人社長)などでも実践されているとみられ、同社が注力していると思われるオーラルケア用品や、プライベートブランド(PB)で豊富なラインアップを展開するペットフードなどでは、実際に利用者から高い支持を得ていることが消費者調査で明らかになっている。
また、バロー(岐阜県/田代正美社長)やアクシアル リテイリング(新潟県/原和彦社長)グループのように、日用品PBの開発に力を注ぐ企業もある。一般的に日用雑貨はナショナルブランド(NB)が強い分野だが、購買頻度の高い消耗品などをPBに置き換えることで利益確保を図るという考えだ。実際に前述の両社では、台所消耗品などSMが得意とする「食」や「料理」に関連したPBを投入し、着実にお客から支持を集めている。
売場づくりでは、食品との関連販売、いわゆる「クロスMD」に力を入れる企業も見られた。精肉売場にフリーザーバッグを配置したり、サツマイモの近くにアルミホイルを置いて焼き芋を提案したりといった具合に、スペースが限られる日用雑貨売場から飛び出して、食品売場に商品を並べることで露出を増やすという手法だ。オペレーションコストがかかるという問題はあるものの、いずれの商品も販売は伸びているという。
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ここ数年のSMは、食品強化型のDgSやフード&ドラッグなどにお客を奪われてきた経緯がある。今後もDgSは食品を強化する構えを見せており、競争激化は必至だ。そうした中で、SMはDgSからお客を“奪い返す”というストーリーを描くことができるか。
足元では、大型M&A(合併・買収)が続いたHC業界から従業員が流出し、日用品をはじめ非食品販売の知見を持った人材が他業態に流入していると言われている。また、ある生鮮特化型のディスカウントSMが非食品を強化すべく水面下で準備を進めているという噂もある。いつの間にか非食品の強化がSMにとって重要な生存要件になっている、という可能性はゼロではない。
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