家庭用手袋市場、23年も前年割れで厳しい状況、極薄手袋は使用シーン拡大で堅調
コロナ禍の家庭内での炊事・料理の時間増加や衛生意識の高まりにより家庭用手袋市場は伸長したが、2020年をピークに減少傾向で、23年も前年割れとなった。今後は使用シーンを広げる取り組みが求められている。
ヘビーユーザーから高い支持、高付加価値商品は好調
日本グローブ工業会によると、2023年の家庭用手袋の販売数量は76,295千双で、対前年比8%減。素材別ではビニール手袋が42,989千双で同9.7%減、ゴム手袋は25,349千双で同7.8%減、ニトリル手袋は7,958千双で同2.3%増。ニトリル手袋のみ伸長したが、そのほかは前年割れとなった。コロナ禍による家庭内での炊事・料理の時間増加や衛生意識の高まりにより伸長したが、20年をピークに使い切り手袋へのシフトや物価高による買い控えの影響で市場は停滞している。

そのなかで好調なのが、高付加価値商品だ。家庭用手袋のヘビーユーザーは使い心地を重視することから、機能性を高めた商品が好調だ。内面に特殊な繊維を採用することで、さらっとした肌ざわりを実現したショーワグローブの「ナイスハンド さらっとタッチ」や、まるでパールのベールに包んだような優しい肌ざわりのダンロップホームプロダクツの「ハンディーナ」、ヒアルロン酸入りの裏毛つきで保湿性・着脱性に優れたエステーの「ファミリープレミアムタッチ ヒアルロン酸」などが代表的な商品で、ヘビーユーザー化が進行している。
一方、使い捨ての極薄手袋の23年の販売数量は、50億9795万枚で同4.1%増と2年連続で伸長。素材別ではビニール製が18億8490万枚で同2.4%増、ゴム製が2億8836万枚で同2.5%減、ニトリル製は17億6377万枚で同10%増、ポリエチレン製は11億6091万枚で同0.2%増。ゴム製以外は前年を上回った。衛生意識の向上により飲食店や清掃・介護などのさまざまな場面で手袋装着が必須となり、すそ野は広がっている。その反動はあるものの今後も安定した需要が見込めそうだ。
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