牛肉カテゴリーは家庭内調理トレンドを「アフターコロナ」の需要につなげる戦略が重要だ

ダイヤモンド・リテイルメディア 流通マーケティング局
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精肉売場ケーススタディ

今期オープンした新店の牛肉売場では、コロナの影響を見極めながらさまざまな取り組みを行っている。外食が自粛されるなかでの国産和牛の品質訴求や、焼肉訴求、簡便性の高い味付け肉訴求など、各新店の事例を紹介する。

 輸入牛肉の一時的な供給不足と価格高を背景に国産和牛への需要が高まった。「国産黒毛和牛」をボードなどで前面に掲げて訴求する「アピタ宇都宮店」(写真①)や「ヤオコー桶川上日出谷店」(写真②)などは、さまざまな部位やカットを用意して訴求する。

アピタ宇都宮店の精肉売場
写真①
ステーキのほか、しゃぶしゃぶ用、カレー・シチュー用、細切れなどさまざまな用途に対応する黒毛和牛を展開/アピタ宇都宮店
ヤオコー桶川上日出谷店の精肉売場
写真②
対面カウンターで展開する黒毛和牛。焼肉用盛り合わせなど、品質にこだわった商品を取り揃える/ヤオコー桶川上日出谷店

 また焼肉訴求も従来から強化されてきたが、今期は需要が高まるなかで力を入れるチェーンが多かった。「イオンスタイル高知」は焼肉用セットを取り揃え、家庭での焼肉を提案する(写真③)。

オンスタイル高知の精肉売場
写真③
焼肉のたれ付きのセット商品や、牛のほか豚、鶏などを含むセット商品を展開/イオンスタイル高知

 また「サミットストア桜木町コレットマーレ店」では、黒毛和牛の焼肉用「ももづくしセット」や輸入肉の焼肉用3種盛りなどを提案している(写真④)。

ミットストア桜木町コレットマーレ店の精肉売場
写真④
焼肉用の「いわて和牛」を訴求するコーナーを展開。このほか輸入肉についても多様なセット商品を用意/サミットストア桜木町コレットマーレ店

 また従来から力を入れるチェーンが多かった煮込み料理やローストビーフ向けのブロック肉についても今期は需要が高まっている。「ヨークフーズ新宿富久店」では、ローストビーフ用のモモブロックをコーナー展開し、ワインに合う本格メニューとして提案する( 写真⑤)。

ヨークフーズ新宿富久店の精肉売場
写真⑤
ブロック肉をローストビーフ向けに提案。オーストラリア産、国産和牛などのブロック肉を揃え、多様な選択肢を提供する/ヨークフーズ新宿富久店

 まとめ買い需要に対応する大容量品も今期好調だった商品。「ライフ阪神鳴尾店」では、牛肉のほか豚肉なども合わせた大容量品をコーナー展開する(写真⑥)。

ライフ阪神鳴尾店の精肉売場
写真⑥
大容量品を揃え、目立つボードで「ボリューム」を訴求。値ごろ感のある価格で提供する/ライフ阪神鳴尾店

 家庭での本格メニュー提案としては、即食性の高いローストビーフなどのオードブル商品も、好調な動きを見せたチェーンが多い。

 「リンコス横浜馬車道店」ては、エンドに専用コーナーを設置し、ワインをクロス展開(写真⑦)。「イトーヨーカドー新田店」でも、平台エンドでローストビーフ専用コーナーを展開し、ボードなどで訴求を行った(写真⑧)。

ンコス横浜馬車道店の精肉売場
写真⑦
上段のワインにはそれぞれ説明を添付。パック入りのローストビーフなどのオードブルをコーナー展開する/リンコス横浜馬車道店
イトーヨーカドー新田店の精肉売場
写真⑧
ローストビーフをカットしたパック商品のほかブロックも用意。ホースラディッシュをクロス展開する/イトーヨーカドー新田店

 ブロック肉や焼肉商材、ローストビーフなどはコロナ以前から各チェーンが力を入れてきた商品分野。今期の好調をいかに今後の需要につなげていけるか。その点が重要なポイントになりそうだ。

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