イオン、ヨーカ堂も本気、模倣困難な水準へ進化する総菜のSPA化!
流通大手2社が本格始動!「総菜の固定観念を破る」
直近で注目すべき動きを見せたのは、小売最大手のイオン(千葉県/吉田昭夫社長)グループだ。今年6月、千葉県船橋市で“次世代型総菜PC”に位置づける「Craft Delica Funabash(i クラフトデリカ船橋)」の稼働を開始した。イオン、イオンリテール(千葉県/井出武美社長)、イオンフードサプライ(千葉県/戸田茂則社長)が共同プロジェクトを立ち上げ、約3年をかけて完成にこぎつけたものだ。
PCのコンセプトとして掲げるのは、「まいにち、シェフ・クオリティ」。PCに商品開発機能を持たせ、料理やMD(商品政策)、製造など各領域の専門人材が既存商品のブラッシュアップや、専門店レベルの本格的な味わいの新商品を考案。それを最新の製造設備で効率的に生産し、各店舗に共有する。
これによって店舗での作業負荷を軽減させつつ、総菜の品質と品揃えを劇的に向上させることをめざす。「これまでの固定観念を打ち破る総菜開発に挑戦する」と、イオンリテールの井出社長が強調するように、イオングループは総菜のSPA化に本腰を入れることで圧倒的な差別化を図ろうとしている。
イオンと双璧をなすセブン&アイ・ホールディングス(東京都/井阪隆一社長)も、総菜のサプライチェーン変革に動き出している。同社は2021年、イトーヨーカ堂(東京都/山本哲也社長)と共同出資して、グループ共通の製造インフラの整備と運営を担うPeace Del(i ピースデリ:東京都/和瀬田純子社長)を設立。
同社は生鮮PC2カ所を稼働した後、24年2月には総菜のCKと精肉PCを併設させた「ピースデリ千葉キッチン」(千葉県千葉市:以下、千葉PC)を開設した。
千葉PCはイオンのクラフトデリカ船橋同様、PC自体に商品開発機能を持つ。主要供給先であるイトーヨーカ堂とも連携しながら、ポテトサラダやコロッケ、餃子など定番メニューのほか、タレなどオリジナルの調味料の開発・製造を行う。また、併設する精肉PCで加工した高鮮度の肉を総菜のCKで調理したり、反対にCKで製造したオリジナルの調味料を使ってPCで味付け肉に加工したりと、PC・CK間での連携も図っている。
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2024/08/26
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