ダイヤモンド・チェーンストア編集部が選ぶ2024年流通業界10大ニュース!
毎年恒例の「ダイヤモンド・チェーンストア編集部が選ぶ流通業界10大ニュース」をお届けする時期となった。流通業界の2024年は例年以上にM&A(合併・買収)絡みのビッグニュースが相次ぐ、激動の一年となった。
昨年来続く各コスト上昇、賃上げの動きもあり、小売業を取り巻く経営環境は激変している。24年の流通業界の動きを振り返ってみたい。
転換点迎えるセブン&アイ2つのM&Aの行方は
2024年の流通業界10大ニュースの第1位は「揺れるセブン&アイ」だ。流通最大手セブン&アイ・ホールディングス(東京都:以下、セブン&アイ)が転換点を迎えている。
同社は24年8月、カナダのコンビニエンスストア(CVS)大手アリマンタシォン・クシュタール(Alimentation Couche-Tard)より買収提案を受けていることを公表した。交渉の末に現在提示されている買収額は約470億ドル、日本円にして約7兆円に上る。
これに対して、セブン&アイ副社長の伊藤順朗氏を含む創業家がMBO(経営陣による買収)によって非公開化するという買収防衛策をセブン&アイ取締役会に提案。
買収に際しては、メガバンク各社から資金調達、総合商社の伊藤忠商事(東京都)も出資を検討中とも報じられている。巨額買収劇はどのような結末を迎えるのか。規模が規模だけに決着には時間がかかりそうだ。

もう1つ動向が注目されるのが、イトーヨーカ堂(東京都)を含むセブン&アイの“非コンビニ事業”の行方だ。セブン&アイは24年10月に中間持株会社のヨーク・ホールディングス(東京都:以下、ヨークHD)を設立。
25年2月下旬をめどに、ヨークベニマル(福島県)、赤ちゃん本舗(大阪府)、ロフト(東京都)などグループ会社31社が傘下に入る体制となる。
このヨークHDの一部株式の売却をめぐって現在入札が行われており、国内外のファンドが参加中だという。店舗閉鎖にセンター型ネットスーパーからの撤退とスリム化を進めるイトーヨーカ堂。再建パートナーはどの企業になるかは多くの業界関係者が気になるところだ。
第2位は、