米卸売物価、2月は前月比0.6%低下 5年ぶり大幅マイナス

ロイター
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ペンシルベニア州キング・オブ・プルシアのショッピングモール
米労働省が12日発表した2月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前月比0.6%低下と、2015年1月以来、約5年ぶりの大幅なマイナスとなった。写真はロイター

[ワシントン 12日 ロイター] – 米労働省が12日発表した2月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前月比0.6%低下と、2015年1月以来、約5年ぶりの大幅なマイナスとなった。ガソリンやサービスの値下がりが全体水準を押し下げた。市場予想は0.1%下落だった。

1月のPPIは0.5%上昇だった。

2月の前年同月比は1.3%上昇。市場予想は1.8%上昇だった。1月は2.1%上昇していた。

食品とエネルギー、貿易サービスを除いたコア指数は前月比0.1%低下と、19年6月以来初めてのマイナスとなった。1月は0.4%上昇していた。2月の前年同月比は1.4%上昇。1月は1.5%上昇していた。

前日発表された2月の消費者物価指数(CPI)は予想外に上昇。基調的物価も安定的に伸び、物価上昇圧力の兆しが幾分見られたが、長くは続かないとみられる。新型コロナウイルスの感染拡大で輸送や宿泊、娯楽などのサービスの需要が減っているため。

新型ウイルスや、産油国サウジアラビアとロシアの価格競争を受け、世界経済が景気後退入りするとの懸念が浮上し、原油価格は急落した。サービスの需要減少と合わさって、供給網の寸断によって生じた価格上昇を相殺するとみられる。

米連邦準備理事会(FRB)はコア個人消費支出(PCE)価格指数を物価の目安にしている。1月のPCE価格指数は前年同月比1.6%上昇した。19年は1月から12月まで、目標を下回った。2月のPCEは今月下旬に発表される。

PPIの前月比の内訳は、エネルギーが3.6%下落。1月は0.7%下落していた。2月はガソリンが6.5%下落し、全体を押し下げた。1月は1.5%下落していた。ガソリンがモノの値下がり要因の3分の1近くを占めた。

モノは0.9%下落し、15年9月以来の大幅なマイナスだった。1月は0.1%上昇していた。食品は1.6%下落。1月は0.2%上昇していた。モノのコア指数は0.1%下落。1月は0.3%上昇していた。

サービスは0.3%下落。1月は0.7%上昇と、18年10月以来の大幅な伸びだった。2月は航空券も値を下げた。宿泊サービスは09年4月以来の大幅なマイナスだった。

一方、医療費は0.2%上昇。1月は0.6%上昇していた。ポートフォリオ管理費は0.3%上昇。1月は2.3%上昇していた。株式が売り込まれる中、今後は値下がりする可能性がある。医療費とポートフォリオ管理費はコアPCE価格指数に組み入れられる。

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