米コアCPI、8月は前年比+2.4% 1年ぶり大幅上昇

ロイター
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シカゴのスーパーの様子
米労働省が12日発表した8月の消費者物価指数は変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数が前月比0.3%上昇と底堅く伸びた。シカゴで昨年11月撮影(2019年 ロイター/Kamil Krzaczynski)

[ワシントン 12日 ロイター] – 米労働省が12日発表した8月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数が前月比0.3%上昇と底堅く伸びた。前年同月比は2.4%上昇し、2018年7月以来の大幅な伸びとなった。ただ景気が減速する中で、米連邦準備理事会(FRB)は来週、追加利下げするとみられる。市場予想は前月比が0.2%上昇、前年同月比が2.3%上昇だった。

7月は前月比0.3%上昇、前年同月比が2.2%上昇していた。

エネルギー価格が下がる中で全体のCPIは前月比0.1%上昇にとどまった。前月は0.3%上昇していた。8月の前年同月比は1.7%上昇。前月は1.8%上昇していた。

FRBが物価の目安としているコア個人消費支出(PCE)価格指数は7月に前年同月比1.6%上昇した。今年はFRBの物価目標である2.0%を下回り続けている。

米政権が中国製品の関税対象をさまざまな消費財に拡大したことから、エコノミストは物価が向こう数カ月間で加速し、20年にFRBの物価目標を超えるとみている。ただFRBは依然として米中貿易摩擦による経済への打撃に対応するため、今年は利下げを続けるとみられる。米中摩擦によって景況感が悪化し、米国内外で製造業が低迷していることから、過去最長にわたり拡大している米経済がリスクに直面している。

パウエルFRB議長は先週、景気後退に陥る公算は小さいとした上で、景気拡大を維持するためFRBが引き続き「適切に」行動すると再表明した。

金融市場は17─18日の連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げを完全に織り込んでいる。大半のエコノミストはFRBが10月と12月も利下げすると予想。FRBは7月に08年以来初めて利下げに踏み切った。

8月のCPIの内訳は、ガソリンが3.5%下落。前月は2.5%上昇していた。食品は3カ月連続で横ばいだった。家庭用食品は0.2%下落した。

帰属家賃は2カ月連続で0.2%上昇した。

医療費は0.7%上昇し、16年8月以来の大幅な伸びだった。前月は0.5%上昇していた。衣料は0.2%上昇。前月は0.4%上昇していた。政府は今年初め、衣料のCPIの算出方法を変更した。

中古車は1.1%上昇。3カ月連続で伸びた。新車は0.1%下落した。家庭用品・家庭向けサービスも値下がりした。

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