コスト増続くも経済正常化で業績好調? 中間決算前におさらいする主要小売業の1Q決算

棚橋 慶次
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新中計は好調な滑り出し! ライフの1Q決算

 ここからは食品スーパー企業を見ていこう。ライフコーポレーション (大阪府)の2024年2月期 第1四半期決算は、営業収益が対前年同期比5.4%増の1958億円、営業利益が同15.0%増の63億円となり、増収・営業増益だった。四半期ベースでは、3四半期期連続で増収・営業増益となっている。

 部門別売上高でも、生鮮食品、一般食品、衣料・雑貨のいずれも前年同期を上回った。300店舗体制の節目となった「セントラルスクエアららぽーと門真店」(300店舗目)を23年4月にオープンするなど積極出店を続けるほか、売場拡大や冷凍・PB食品拡充を目玉とする既存店改装にも取り組んだ。

 ライフコーポレーションでは今期から「第7次中期経営計画(2023~2026年度)」がスタートしている。新中計の滑り出しは好調と言ってよさそうだ。

今期も増収増益記録更新なるか、ヤオコーの1Q

 ヤオコー(埼玉県)の2024年3月期の第1四半期決算は、営業収益が対前年同期比8.5%増の1487億円、営業利益が同18.1%増の90億円とこちらも増収・増益だった。営業収益・営業利益とも、第1四半期ベースでは過去最高となった。

 食材の高騰に、光熱費・人件費といったコスト負担増もあり、食品スーパーにとって厳しい経営環境が続く中、ヤオコーはEDLP(エブリデイ・ロープライス)政策や、「厳選100品」といった価格訴求の販促活動を展開し、お客の支持を集めている。加えて、コロナ禍から続く中食志向も堅調で、総菜の根強く支持されている。消費者の節約志向もあって、23年4~6月の1人当たりの買い上げ点数(既存店ベース累計)は前年同期から1.9%落ち込んだものの、一品単価がそれをカバーする伸び(同6.1%増)を見せており、客数も同2.0 %と伸びている。

 間もなく2月期決算企業の中間決算が発表される。見通せない状況が続く中、各社の業績がどのような折り返しを迎えるかに注目だ。

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