与えられる情報は同じでも… スクープをモノにできる記者とそうでない記者の違い

千田 直哉 (編集局 局長)
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コストコの内覧会に、スーパーの社長が出席 
君なら何を感じとるか?

 某日、コストコホールセール・ジャパン(以下、コストコ)が新店オープンを前に、取引先や記者を集めた内覧会を開いた。会場でばったりとお会いしたのは、コストコとはまるで関係ない某食品スーパー(SM)企業の社長だ。

 「今日は何ですか?」と尋ねると、「勉強のために取引先に頼んで参加させてもらっているんだ」と答え、立ち話を10分ほどした。何の疑問も持たず、「取引先に頼めば、ライバルのような企業でも内覧会に入れるものなんだ」と納得して別れた。 

 それから約1年後。某SM企業の関連会社がデベロッパーを担うショッピングセンターの第2期オープンの目玉としてコストコが出店することが発表された。「ああ、あの時は、出店誘致のつながりで来ていたのか」と愚鈍な自分を責めたけれども、もうあの時には戻れない。 

 もう少し敏感であれば、スクープ記事を取り逃がさずにすんだのに…と悔やんでみても後の祭り、とはこのことである。

 

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記事執筆者

千田 直哉 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア 編集局 局長

東京都生まれ。1992年ダイヤモンド・フリードマン社(現:ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。『チェーンストアエイジ』誌編集記者、『ゼネラルマーチャンダイザー』誌副編集長、『ダイヤモンド ホームセンター』誌編集長を経て、2008年、『チェーンストアエイジ』誌編集長就任。2015年、『ダイヤモンド・ドラッグストア』誌編集長(兼任)就任。2016年、編集局局長就任(現任)。現在に至る。
※2015年4月、『チェーンストアエイジ』誌は『ダイヤモンド・チェーンストア』誌に誌名を変更。

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