真逆の戦略で高成長維持するダイソーとセリア!100円ショップ進化のゆくえ
キャンドゥ、イオン入りの深謀
ところで、100円ショップ市場の大きな特徴として、上位企業で著しく寡占化が進んでいることが挙げられる。
ダイヤモンド・チェーンストア誌24年10月1日号特集「市場占有率2024」によると(図)、各社のマーケットシェアは大創産業が約62%で頭一つ抜けており、それに次いでセリアが約22%、キャンドゥ(東京都/城戸一弥社長)が約8%、ワッツ(大阪府/平岡史生社長)が約6%と、上位4社だけで約98%を占める。大創産業とセリアだけでも約85%のシェアを有しており、実質的にはこの2社が圧倒的な存在感を誇る“超寡占化市場”と表現してもよいだろう。
そうしたなかで22年、業界3位のキャンドゥが、イオン(千葉県/吉田昭夫社長)による複数回のTOB(株式公開買い付け)によって同社の連結子会社となった。
キャンドゥはイオングループ各社が運営する店舗や商業施設などへの出店を加速することで、26年11月期に店舗数を2000店舗(21年11月期時点では約1200店舗)まで増やすことを発表。それと並行して、イオングループ各社への商品供給も行うとした。この動きからは、上位2社が出店攻勢を強めるなかで、自力で出店余地を見出すことが難しくなったという事情も推察できる。イオングループの傘下に入ることで、グループのアセットをフル活用しながら超寡占化された市場を生き残っていく。これも1つの成長・生存戦略と言えるだろう。
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世界的に物価高騰が続くなか、100円ショップに対する消費者からの支持はこれまで以上に厚いものとなっている。「価値ある商品を手頃な価格で提供する」という小売業の使命を究極的に追求する業態である100円ショップ市場は、今後どのような展開を見せていくのだろうか。次ページ以降、大創産業とセリアの2大勢力の最新動向を中心に、市場の今後を考察してみたい。
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