真逆の戦略で高成長維持するダイソーとセリア!100円ショップ進化のゆくえ
「脱100円」と「海外」に活路見出す王者ダイソー
そうした厳しい環境下で持続的な成長を図るべく、各社はすでに打開策を講じている。ここで興味深いのが、“2強”である大創産業とセリアが真逆ともいえる方向性を示している点だ。
まず大創産業は、価格帯の幅を広げる方針を打ち出し、100円のみならず、200円や500円、最高で1000円の商品も取り入れている。それと合わせて、高付加価値型の生活雑貨に特化した「Standard Products」(21年開発)や、300円ショップ「THREEPPY(スリーピー)」(18年開発)という、主力の「DAISO」とは一線を画したコンセプトを持つブランドを展開。価格帯をただ広げるだけでなく、付加価値も追求した商品づくりに注力することで、顧客層の拡大にもつなげている。
また、これらのブランドを「DAISO」と合わせて、2ブランドあるいは3ブランドからなる複合店の出店も進めている。この複合店の集客力はすさまじく、商業施設などからの出店要請も相次いでいる。
大創産業がもう1つの成長の軸に据えるのが海外事業だ。同社はすでに、海外26の国と地域に約1000店舗を展開するが、今後はアメリカを最重要エリアとして、同国内だけで30年までに1000店舗体制を構築したい考え。それを実現すべく、「HENSHIN(変身) PLAN」という名の社内プロジェクトを推進しており、大都市を中心としたドミナント出店と、それを支える物流インフラの強化を図っている。
大創産業は中長期の経営目標として、売上高1兆円・1万店舗の達成をめざす。そのために、これまでの100円ショップのビジネスモデルを根底から見直し、高付加価値化と海外市場開拓という大きく2つの取り組みによって、厳しい経営環境のなかでさらなる成長を図ろうとしている。
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