仕事激変で商社の競合はコンサルに!人生を自分で切り開くための方法とは

河合 拓 (株式会社FRI & Company ltd..代表)
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中国人の爆買い復活でも、韓国企業にやられる理由

RichLegg/istock
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 この2021-23年は繊維商社にとって大きな転換期となった。実は、商社は円安をエンジョイしている。特に、繊維商社は①海外からの外国人の流入による「爆買い」と「リベンジ消費」で好調なアパレル企業の恩恵を受けている。商社の業績はどこも底をついたように見え、強気になっている。また、これまで生地や素材を扱っている部門は窓際に置かれてきたが、商社は輸出が拡大して利益率が大きく上がった。

 だが、これをもって、事業が底をついたと考えるのは時期尚早だ。円安は永久に続くものではなく、為替はアップダウンを繰り返す。また、今回は中国人の爆買いが米中戦争の影響により大幅に限定されたが、中国人参戦による「爆買い第2波」を期待する人が多いが、私は日本のよいところを模倣し、中国人に実にうまく売る企業は韓国企業だと思っている。だから、この戦いは、例え日本を戦場にしても日本のアパレル会社は韓国企業にやられるだろうとみている。

  私は愛国者だ。しかし、真の愛国者とは差別やヘイトスピーチをする人間ではない。競争ルールに従い、ルールのもとで勝つ仕事をする者のことである。だから、私は、韓国のトップコンサルタントを招聘して無償で韓国企業の戦略を公開した動画をバラマキ、彼らの「Kポップ」と「Kファッション」を融合し、「Jファッション」を叩き潰す、という戦略を紹介した

  日本は 「per Capita」ベースではすでに韓国にもGDPで抜かれている。そして、その頼みの綱であった人口もあと30年で1億人を割り、今でも10人に3人は60歳以上と、日本人が経験したことがない老人国家になった。課税強化により若者は安心して子供も産めないのだ。今、投資をすれば企業変革を経て定着するまで5年かかる。5年と云えば、中国、韓国企業にガッチリつかまれた「Z世代」がファッション消費を牽引する時代である。今、まさに正しい戦略と将来予想から戦略を立てなければならないのだ。

 60歳以上もリスキリングでMBA

 さてリスキリングが流行っている。国内MBAは定員オーバーで、特に私が通っている名商大は卒業が極めて厳しいが、卒業生の8割は年収があがり半分が出世している。そのビジネススクールには、なんと60歳以上の高齢者がリスキリングをしており、教授を年齢で抜かしているほどだ。

  それに比べ、多くの若者は大学にいくお金を工面するために、奨学金に頼っているのが実態。一体、この国はこの国の将来をどう思っているのだろうか? かくいう私も(当然自腹で)ビジネススクールにいっているのだが、50歳代などザラだ。大学時代、学費を自分が払うなどあり得ない話で、いかに両親からクルマを買ってもらうか、合コンにいけるか、程度のことしか考えていなかったのが、今定年前のバブル世代だ。私もバブル世代だが、入社したイトマンは、私が入社した年に経営破綻した。私は今に至るまでボーナスをもらったことはないし、3度会社をクビになった。バブル世代だが、バブル崩壊の影響をもろに受けた特殊な人間なのである。そこが「プロになりたい」という思いを強くした理由だ。

 私が、商社がコンサル会社とファンドの役割を果たすと説いたのは、私が大学生時代にOB訪問で商社の先輩に言われた以下の言葉が、きっかけになっている。

 「商社とは人と電話」しかないところだ。逆に言えば、その2つをつかってできることは何でも良い 

 その後、私はイトマンに入社したが、「在庫は悪だ」とたたき込まれ、「買う前に売れ!」を社是として当時の河村良彦社長の下、一致団結していた。コンサルに転職し「在庫悪玉論」を展開したら、コンサルのパートナーやアクセンチュアのパートナーも「在庫がなければ売れないじゃないか?アホじゃないか」と私を牽制したものだった

 結局、私をわかってくれたのはダイヤモンド社と日経新聞社だけで、「河合さんの視点はとても面白い」と、この2社には大変お世話になった。特にダイヤモンド社には初版をハーバードビジネスレビューに掲載してもらい、ダイヤモンド・リテイルメディアでは、書籍を2冊もだしていただいた。今後も、私はこの2社との取り組みを最優先し、一生懸命仕事に取り組んでゆきたいと思っている。

 

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記事執筆者

河合 拓 / 株式会社FRI & Company ltd.. 代表

株式会社FRI & Company ltd..代表 Arthur D Little Japan, Kurt Salmon US inc, Accenture stratgy, 日本IBMのパートナー等、世界企業のマネジメントを歴任。大手通販 (株)スクロール(東証一部上場)の社外取締役 (2016年5月まで)。The longreachgroup(投資ファンド)のマネジメントアドバイザを経て、最近はスタートアップ企業のIPO支援、DX戦略などアパレル産業以外に業務は拡大。会社のヴィジョンは小さな総合病院

著作:アパレル三部作「ブランドで競争する技術」「生き残るアパレル死ぬアパレル」「知らなきゃいけないアパレルの話」。メディア出演:「クローズアップ現代」「ABEMA TV」「海外向け衛星放送Bizbuzz Japan」「テレビ広島」「NHKニュース」。経済産業省有識者会議に出席し産業政策を提言。デジタルSPA、Tokyo city showroom 戦略など斬新な戦略コンセプトを産業界へ提言

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