関西フードマーケット、価格訴求型の新フォーマット「デイリーマート」を出店!
関西フードマーケット(大阪府/林克弘社長)が、大阪市内にある既存店「関西スーパー市岡店」を価格訴求型フォーマットに転換し、店名を「関西スーパー デイリーマート市岡店」と改めた。同店の特徴は、SKU数の圧縮や単品量販の推進などを柱に、グループのスケールを生かしたEDLP(エブリデー・ロープライス)政策を導入している点だ。さらにローコスト運営も徹底する。「デイリーマート」1号店から見えてくる、関西フードマーケットの店舗再編戦略の展望とは──。

ほぼすべての商品群でEDLPを導入!
関西フードマーケットは4月23日、「関西スーパー市岡店」を改装し、価格訴求型の新フォーマット「関西スーパー デイリーマート市岡店」(以下、市岡店)としてリニューアルオープンした。同社では今後、同様の価格訴求型店舗について「デイリーマート」の名称で展開する予定だ。
「デイリーマート」出店の背景にあるのは、可処分所得の伸び悩みや物価上昇を受けた生活防衛意識の高まりだ。林社長は「“お買い得であること”の意味を見つめ直し、価格と価値のバランスを重視した政策に転換する」と話す。
関西フードマーケットでは現在、店舗フォーマットを「高付加価値型(Aタイプ)」と「価格訴求型(Cタイプ)」に分類しており、市岡店はそのうちのCタイプに位置づけられる。
市岡店ではほぼすべての商品群にEDLPを適用。さらに、「鮮度一番価格」「スペシャルプライス」「応援プライス」といった価格訴求の強度に応じた3段階の価格政策を導入することで、納得感のある価格を実現している。

こうした価格施策を支える基盤として、SKU数を従来の約1万4000から1万に絞り込んだ。これにより単品量販を推進し、グループ全体での大量仕入れと物流の一本化によって、仕入れコストの抑制を図っている。
ローコストオペレーションの徹底も進めている。SKU数を絞ったことで補充や発注、管理の業務負荷が軽減され、引き出し式棚の導入や今秋予定のフルセルフレジ導入によって人時生産性の向上を図っている。
年間3〜4店舗のペースで既存店をフォーマット転換
一方のAタイプは、4月25日にオープンする「阪急オアシス宝塚南口店」(兵庫県宝塚市)を実験店として高品質な体験型売場を展開するとしている。差別化につながる日常の“ちょっといいもの”を提供することで、「ここで買いたい」と思わせる価値を打ち出す予定だ。
林社長は「屋号としての信頼は守りながら、日常の買物に新たな価値を提供していきたい」と話す。今後はAタイプ(価格訴求型)・Cタイプ(高付加価値型)の両業態を軸に、年間3〜4店舗のペースで既存店の業態転換を進める方針で、その先駆けとなる市岡店の取り組みが、モデルケースとして注目される。
◆「関西スーパー デイリマート市岡店」の詳細記事、および林克弘社長へのインタビューは雑誌「ダイヤモンド・チェーンストア」5月15日号、および「DCSオンライン+」で公開予定です。