ロピア、オーケーで揺れる関西スーパー業界!知られざる強者「万代」の強さの秘密とは
商品力向上と個店対応強化で躍進!
そして②の内部変化については、商品力の向上と、個店対応力のさらなる進化が主な論点となる。
まず商品力については、もともと生鮮食品を強みとする企業ではあったものの、ここ数年で品質がさらに向上しているという指摘が多い。その背景としては、自社内の製造機能の拡充に加え、M&A(合併・買収)を含めた外部企業との積極的な連携が挙げられる。
前者についてはこれまで生鮮のプロセスセンター(PC)や物流センターの設置を進めてきたほか、18年には総菜製造子会社クックワン(奈良県)を設立。製造・物流の機能や効率の向上を図りながら、高い品質の商品を安定的に売場に供給する体制を整えている。
後者に関しては、14年に滋賀県の農業生産法人を、21年にはベーカリー専門店を展開するアルヘイムフードサービスを、そして22年には兵庫県内の水産加工業者・マルカツ水産をそれぞれグループに迎え入れている。SM事業だけでなく、生鮮・食品の専門企業を取り込んだ「万代グループ」を形成することで、より品質が高く、手頃な価格の商品を販売し、お客の支持をさらに拡大しているのだ。
そしてもう一方の個店対応力の高さについては、もともと万代は駅前立地、住宅街、郊外の幹線道路沿い、自社あるいは外部開発のショッピングセンター内のテナントなどさまざまな立地で出店を重ねてきた経緯がある。店舗の形態も、600坪超の大型店から古い商店街に位置する2層の小型店まで多岐にわたる。そのため、店ごとに商圏特性や顧客層は大きく異なり、万代はそうした“多様性”への対応力を磨いてきた。
そうした前提に加え、某メーカー関係者は、「ここ数年でID-POSデータを中心とした購買データの分析に本腰を入れ始めたようだ」と明かす。個店ごとに顧客像を可視化・明確化したことで、より精度の高い売場づくりやMDが実行できるようになったとみられる。もちろん、前述した商品力の向上にもそうしたデータは大きく役立っているはずだ。
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