「バイヤー必見!今行くべき専門店」 第7回 健康提案のヒントが得られる専門店

2020/05/28 05:55
    「ホットペッパーグルメ外食総研」上席研究員 有木 真理
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     健康志向の高まりに応じ、近年食品スーパーの売場では「糖質オフ」「グルテンフリー」などの注目のキーワードを軸に、加工食品を集積したコーナーが多く見られるようになりました。しかしながら、実際に売上に結びつけられていない企業が少なくありません。

     そこで今回は、健康提案で参考になるメニューや、次に注目されそうな健康に関するトレンドを、人気の専門店を例に紹介します。※新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、営業日時を変更している場合があります。詳細は、各店舗のホームページや公式SNSでご確認ください。

    需要はあるものの
    一筋縄ではいかないテーマ

     「健康」「ダイエット」。この2つのテーマの消費トレンドを遡ってみると、「スーパーフード」「糖質オフ」「一点特化(バナナ・ゆで卵など)」「ファスティング」「ヴィーガン」「グルテンフリー」など手を変え、品を変え、さまざまなブームが起きてきました。

     このなかでも昨今、国内外を問わず注目度が高まっているのが「ヴィーガン」(主に動物性食品を摂取しない主義のことを指す)です。欧米ではヴィーガンの人口数が全体の10%を超す国もあると言われているこのマーケット。外食業界においては、グループ客の中で1人でもヴィーガン主義者がいれば、非対応の店舗は選択肢から外れてしまいます。そうしたなか、ヴィーガンに対応した商品やメニューを提供することは年々、重要度を増してきていると言えます。

     しかしながら、「健康」「ダイエット」をテーマにヒットを生み出すのが難しいということは、皆さんご承知のとおりでしょう。そうしたなか、商品やメニュー開発のポイント、またヒントを与えてくれる飲食店をお伝えできればと思います。


    ターゲットを明確に、
    嗜好に沿った提案を
    「東京アスリート食堂」

    東京都千代田区にある「東京アスリート食堂 神田錦町本店」。2階にはランナーズステーションがあり、皇居周辺を走るランナーが多く利用する
    東京都千代田区にある「東京アスリート食堂 神田錦町本店」。上の階にはランナーズステーションなどがあり、皇居周辺を走るランナーが多く利用する

     こちらは、ターゲットを明確にすることで集客に成功している飲食店です。東京を中心に約5店舗を展開。店名に「アスリート」を掲げ、アスリート向けの食事のように「スポーツ栄養学」に基づいたメニューを提供しています。

     現代人は、健康管理やボディメイクへの興味関心が高い傾向があります。この心理をとらえ、正しい食生活を基にした健康的な減量方法や、生活習慣病の予防週間なども提案しています。同店のようにターゲットを明確にすることは、その嗜好に沿った提案が可能になり、その結果リピート率が上がると考えられます。

     また、東京や大阪を中心に「GARB」「グッドモーニングカフェ」などハイセンスなレストランを100店舗以上展開する飲食店の運営・企画会社バルニバービ(東京都)が手掛けているのも興味深い点です。

    メニューは「一汁一飯三主菜」がテーマで、ご飯、汁物のほか、10種類以上の中から3つの主菜が選べる
    メニューは「一汁一飯三主菜」がテーマで、ご飯、汁物のほか、10種類以上の中から3つの主菜が選べる


    「東京アスリート食堂 神田錦町本店」
    所在地   東京都千代田区神田錦町3-21 10 OVER 9 1F
    営業時間  11:00~22:00(土日・祝日は10:00~20:00)
    定休日   なし

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