商品経営に徹して強力なDSと伍して戦える高質SMモデルをつくる=いちやまマート三科社長

聞き手:千田 直哉 (編集局 局長)
構成:小木田 泰弘
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原材料や調理工程の見直しでおいしさ・高値入れ率・値ごろを実現

──NB商品の値下げの原資は、値入れ率が高い生鮮食品や総菜、独自開発商品の販売で捻出している。

三科 そうです。やみくもに値下げすると利益を減らしてしまうだけですから、値下げの原資を稼がなくてはなりません。

 生鮮食品や総菜に加えて、独自開発商品の「美味安心」が当社の利益部門です。各部門の値入れ率を高めることに加えて、最近ではとくに商品の「値ごろ」の追求に力を入れています。これも、DSと戦っている諏訪店の取り組みがもとになっています。

 諏訪店は当初、お客さまに「いちやまマート=高級」と受け止められてしまいました。そこで現在は生鮮や日配品、総菜の低価格化に取り組んでいます。

 たとえば鮮魚部門のサンマのお刺身(単品盛り)は、一昨年は1パック399円で販売していました。それを昨年は量目を少なくして299円で、今年はさらに量目を変えて199円で販売して「値ごろ」をアピールしています。また、精肉部門では、国産の牛肉や豚肉を売り込むだけでなく、輸入ものもしっかりと品揃えするようにしています。

 当社の独自開発商品である、国産の原材料を使用した食品添加物ゼロの「美味安心」商品についても、たとえば日本茶はこれまで880円と1280円の商品しかありませんでしたが、499円のものを新たに開発・販売しています。なお、「美味安心」はこれまで300アイテムを開発し、SMなど約50社にも商品を卸しています。

 また、外国産の原材料を使用して売価を低く抑えた新ブランド「ビミ・ドゥーエ」の開発も進めていて、ナチュラルチーズや梅干し、お菓子、カレールウなど数アイテムをすでに販売しています。

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聞き手

千田 直哉 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア 編集局 局長

東京都生まれ。1992年ダイヤモンド・フリードマン社(現:ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。『チェーンストアエイジ』誌編集記者、『ゼネラルマーチャンダイザー』誌副編集長、『ダイヤモンド ホームセンター』誌編集長を経て、2008年、『チェーンストアエイジ』誌編集長就任。2015年、『ダイヤモンド・ドラッグストア』誌編集長(兼任)就任。2016年、編集局局長就任(現任)。現在に至る。
※2015年4月、『チェーンストアエイジ』誌は『ダイヤモンド・チェーンストア』誌に誌名を変更。

構成

1979年生まれ。2009年6月ダイヤモンド・フリードマン社(現ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。「ダイヤモンド・チェーンストア」誌の編集・記者を経て、2016年1月から「ダイヤモンド・ドラッグストア」誌副編集長、2020年10から同誌編集長。

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