ユニクロ失速の秘密&通販KPIを活用した成熟時代の新しいアパレルビジネスのKPIとは

河合 拓 (株式会社FRI & Company ltd..代表)
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通販KPIを理解せよ

Tevarak/istock
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そんなわけで、前置きが長くなったが、こうした産業の変わり目は、大きな戦略の大転換を図る必要がある。今回は、より具体的な成熟経済下での「アパレルのKPI」について語りたい。ひと言で言えば、通販で利用されているものを、アナロジカルにリアル店舗ビジネスに展開せよ、ということである

私は通販企業で6年働いた経験があるので、通販のKPIや考え方には詳しい。一方でアパレルでEC事業部と称する人、あるいは、EC担当の人の多くは、通販の基本の「き」を分かっていない人が多いようだ。

例えば、LTV の計算方法は

  1. 客単価 = 一点単価 x セット率 x 購買頻度/年
  2. Lifetime Value = 客単価 x 粗利率(限界利益率でもよい) x 離脱 (一年間買わない年度)までの年度

 である。
つまり、顧客Aが一年間に企業に落とす売上が「客単価」で、離脱するまでに落とす利益が「生涯価値」なのだ。この場合、一年間に買わなかった人が突然買い始めるケースもあるが、この場合、その客は「新規顧客」と捉え、KPIを単純化させる。これが基本だ。

例えば、長期間使う雑貨や家具のように数年に一度買うような商品を売っている場合、一年で買わなくなった人を「離脱」と捉えてしまうと、ほぼ全員が離脱してしまうため、管理方法に工夫が必要だが、本論考は通販管理のKPIを教えることを目的としていないため、ここでは省略する。

 

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記事執筆者

河合 拓 / 株式会社FRI & Company ltd.. 代表

株式会社FRI & Company ltd..代表 Arthur D Little Japan, Kurt Salmon US inc, Accenture stratgy, 日本IBMのパートナー等、世界企業のマネジメントを歴任。大手通販 (株)スクロール(東証一部上場)の社外取締役 (2016年5月まで)。The longreachgroup(投資ファンド)のマネジメントアドバイザを経て、最近はスタートアップ企業のIPO支援、DX戦略などアパレル産業以外に業務は拡大。会社のヴィジョンは小さな総合病院

著作:アパレル三部作「ブランドで競争する技術」「生き残るアパレル死ぬアパレル」「知らなきゃいけないアパレルの話」。メディア出演:「クローズアップ現代」「ABEMA TV」「海外向け衛星放送Bizbuzz Japan」「テレビ広島」「NHKニュース」。経済産業省有識者会議に出席し産業政策を提言。デジタルSPA、Tokyo city showroom 戦略など斬新な戦略コンセプトを産業界へ提言

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