父の13回忌。私事ですのでご理解の上、クリックしてください

2010/11/20 04:31
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 私事で誠に恐縮だが、11月20日は、亡父の命日。13回忌である。

 

 亡父は、昭和8年生まれ。高度経済成長期をバリバリと働きぬいた流通マンだった。

 当時の労働条件は、いまよりもかなり厳しく、週休1日が当たり前。亡父の定休日は木曜日で、土日祭日は仕事。当時のほとんどの父親がそうであったように、ろくに遊んでもらった記憶はなく、“モーレツ”を絵に描いたような男だった。

 

 1年を通じてのまとまった休暇といえば、正月3が日、2月の冬休み、8月の夏休みの3回。この時が来るのがとても待ち遠しくて、旅行や映画、トランプなどに興じ過ごしたものだ。

 

 子供のころは父親が不在、青年期になると私が家庭にいないことが多くなり、すれ違いの時間ばかりだっただけに、亡父との会話は密だったとはいえず、とても悔やまれるところだ。

 だから、振り返ってみても、何かを直接、学んだということはなかったような気がする。

 

 それでも、亡父は定年の60歳まで立派に勤めあげ、2人の息子を社会に送り出した。

 

 しっかりと親孝行をしようと思っていた矢先に、突然倒れてそのまま逝ってしまった。

 

 それほど分かりあった関係ではなかった亡父だが、3つだけ、遺言と思しき言葉を残してくれた。

 

 ①一緒に出掛けた相手とは一緒に帰る

 ②接待は徹底的に

 ③通夜・葬儀には万難を排して出る

 

 まったく、一貫性は感じられないものだが、張り倒されながら教えてもらった。

 そして、これまでの人生を振り返ると、私は3つの言葉をしっかり守っている気がしているし、これからも見えない糸に操られながら、守ることになるのだろうと思う。

 

 死後12年が経過した後でも、生ける人間を動かす――。

 凄いことだなと思うのと同時に、まだまだ亡父の掌から抜け出せない自分がいる。

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