ナルスの「カーニバル」

2010/02/28 00:00
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 原信ナルスホールディングス(新潟県/原和彦社長)の事業会社ナルス(新潟県/山崎軍太郎社長)は、年に数回、「カーニバル」を実施している。

 「カーニバル」とは、ナルスが取り組む売上をつくるためのイベントでコンセプトは“お祭り”。全店舗全従業員が参加してコンテスト形式で競い合う。主な「カーニバル」は以下の3つだ。

 

 (1)うなぎカーニバル

 “土用の丑の日”にうなぎで売上のヤマをつくるために行われている。ナルスは、原信(新潟県/原和彦社長)と経営統合するまで、オール日本スーパーマーケット協会(AJS:大阪府/荒井伸也会長)に加盟していた。そのメンバーのダイイチ(北海道/小西保男社長)にうなぎの販売額を尋ねたところ「ナルスさんの100倍売る」という答えが返ってきたことがきっかけになった。店頭にテントを立て、備長炭で火を起こし、うなぎ焼き機を導入し、シズル感・香り・煙りを店内にも流す。社員全員が女装、女性従業員は浴衣を着て、商品を勧める。関連販売で冷やしスイカ、そうめんなどの試食にも力を入れている。

 

 (2)節分カーニバル

 “地獄の2月”に売上のヤマをつくることが目的。AJSの主要メンバーである関西スーパーマーケット(兵庫県/井上保社長)が節分には、1日4000人縲怩T000人(1店舗)の来店客数と同じ本数が売れることを知り、10年前からスタートした。店頭の従業員が“鬼”や“侍”に扮するとともに、手巻き寿司機は使用せず、本部従業員も全員かり出され、店頭で実演・手作りしている。関連販売で大豆やその他も販売し、節分は年間上位10指の売上を計上する日になった。

 

 (3)新米カーニバル

 新米の季節に売上のヤマをつくることを主眼に始めた。新潟県は、コシヒカリの産地だが、新米時期は縁故米(えんこまい:親類からもらうコメ)が流通し、9月、10月はコメが売れなかった。そこで、新米時期に店内でお祭りを実施。従業員が蓑傘を付け、かかしを立て、“こだわりの新米”を品揃え(産地限定、田圃限定、有機栽培、無農薬栽培)たところ、新米を遠くで暮らす親戚縁者に送るギフト需要、自宅用需要を開拓し、10kg×1万個超を売るようになった。

 

 いまの時代は、これまでのようにただ消費者を待っているだけでは、買い上げ点数が伸びない。

 しかし、売れないと嘆いているだけでは意味がなく、工夫して、売りこんでみる努力が必要なことを「カーニバル」は教えてくれる。

 

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