西鉄ストア代表取締役社長 玉木 浩
高コスト体質を改善し、経営基盤を強固にする!

2016/09/15 17:00
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「ディストリビューター」を新設店舗の販売力を向上へ

──既存店売上高はどのように推移していますか。

 

玉木 15年度の既存店ベースの売上高は対前年度比1%増と堅調でした。16年度に入ってからは客単価が低下傾向にありましたが、前年度実績をクリアしています。8月は天候不順でやや厳しい状況です。

 

──営業面で力を入れているのはどんなことですか。

 

玉木 店舗の販売力をつけるため、16年7月から本部に「ディストリビューター」2人を新たに配置しました。商品部は仕入れた商品を各店舗に配分しますが、店舗規模や地域ニーズなどの要因により、積極的に売る店舗もあれば、そうでない店舗もあります。本来もっと売れるはずなのに、十分に商品を店舗に送り込んでいないということもあります。「ディストリビューター」は、商品部やバイヤーの意図を十分に理解しつつ、店舗側の声も聞きながら、実際に販売する方法を店舗に提案していきます。個店の実情に合わせた売り方を追求することにより、「量販力」のある店舗を実現したいと考えています。

 

 「ディストリビューター」だけでなく、「ゼネラルトレーナー」も新たに配置しました。従来、刺身の盛り付けや肉の加工などを指導する「トレーナー」とは違い、店舗と密に情報をやり取りし、つくるアイテム、商品の量目、陳列方法などを指導するのがゼネラルトレーナーの仕事です。「ゼネラルトレーナー」により、売れる商品、売場づくりを徹底します。当社のSMには売場面積が100坪や200坪の店舗もあれば、600坪の店舗もあります。店舗に応じた売場をつくり、販売力をアップしていきたいと考えています。

 

──顧客との接点で取り組んでいることはありますか。

 

玉木 3年前に、新しく「コンシェルジュ」を店舗に配置しました。お客さまとコミュニケーションしたり、買物の手伝いをしたりするのが役割です。現在、10人いて、専任9店、兼任2店の計11店をサポートしています。

 

 当社のお客さまは比較的年配の方が多いため、マンツーマンで声をかけながら丁寧に接客することを基本としています。ときには、おいしい食べ方、おすすめ商品なども提案することもあります。お客さまからうかがった要望や困っていることなどは、店長や本部とも情報共有することで、問題点の改善を図るようにしています。お客さまから支持されるSMにするのが大きな目的です。「コンシェルジュ」については今後、さらに人員を増やすかどうか検討していきます。

強固な経営体質に向け営業利益率1.5%をめざす

──西日本鉄道の子会社、あんくるふじや(佐賀県/秦直己社長)と来春、合併することを発表しました。

 

玉木 あんくるふじやは佐賀県と福岡県で酒販店26店、SM8店の計34店を展開している、年商規模135億円の企業です。合併後、仕入れや管理部門を統合することにより、西鉄グループにおけるストア事業全体のさらなる効率化と経営基盤の強化を図るのが目的です。現在、統合準備委員会を設け、システムや物流などをどのように統合していくか、具体的な話し合いを進めているところです。企業文化の違う会社が一緒になるわけですが、それを理解しつつ、互いのいい部分を合わせられればと考えています。

 

 M&A(合併・買収)は、親会社の西日本鉄道が手がけることになりますが、今後もありえるでしょう。資金力がありますし、鉄道会社であるため何より安全・安心が第一の企業です。その信用力は、M&Aにも大きな力を発揮するはずです。

 

──今後の経営課題は何ですか。

 

玉木 電鉄系のSMはどこも同様の悩みを持っていると聞きますが、高コスト体質の改善です。そのため、たとえばパートタイマーの技能の認証制度を整備しました。合格者には時給を上げるなどして、パートタイマーを戦力化していきたいと考えています。あんくるふじやとの来春の合併もありますから、できるだけ強固な経営体質に移行できればと考えています。現状1%台前半の営業利益率を1.5%にまで引き上げるのが当面の目標です。

 

 SMのステークホルダーには、非常に多くのお客さま、従業員、サプライヤーがいます。その意味では影響力の大きい産業です。まずは地域のお客さまに喜んでいただける店でなければなりません。営業成績を伸ばし、従業員の賃金を上げ、サプライヤーには多くの商品を納品していただきたい。そのために、第14次中計を通じて成長戦略を推進し、併せて高コスト体質を改善しながら、強い経営基盤を確立したいと考えています。

 

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