セブン・ミールサービス代表取締役社長 青山 誠一
ご用聞きでオムニチャネル化の先鞭つける、めざすは究極の「近くて便利」

2014/02/16 17:00
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──店舗の従業員に負担がかかるのではないですか。

 

青山 「セブンミール」の実施店舗のオーナーさまに聞くと、実際はそうでもないようです。逆に「セブンミール」を実施することのメリットが大きいとおっしゃる加盟店さまが多いのが現状です。

 

 たとえばお客さまとの会話のなかで、商圏内の隠れたニーズを発見することもあります。お米や洗剤など、コンビニエンスストアではあまり購入されない商品を、お客さまからのご要望をもとに品揃えしたところ、大きな売上につながったケースもあります。また、お客さまに対してクリスマスケーキや恵方巻きなどの予約商品をおすすめすることで予約数を大きく伸ばしたケースもあります。

 

 そしてお客さまに商品をお届けした際、従業員は「ありがとう」と感謝されます。するとその従業員は喜びを感じて、店舗での接客姿勢や意識が大きく改善するなどの効果もあります。

 

 

──「セブンミール」の1日当たりの配達は何件くらいあるのですか。

 

青山 注文件数の多い店舗は1日30件ほど配達しています。1日20件を超える店舗の多くは専任の従業員を雇っています。「セブンミール」利用者は店舗から半径500m圏内にお住まいの方がほとんどなので、物理的な移動の負担はそれほどありません。

 

 「セブンミール」を展開することで「人件費がかさむ」ととらえるか、「ビジネスチャンスが拡大する」ととらえるのかは、加盟店さまの判断になるでしょう。

 

──オムニチャネル化を進めるうえでも、全国約1万6000店舗の店舗網は大きな強みになります。

 

青山 強力な武器になるでしょう。

 

 「セブンミール」は、お客さまのご自宅に商品をお届けするか、または注文した商品を最寄りの店舗で引き取ることができます。現在、ご自宅へお届けするケースが75%、店舗で商品をお渡しするのが25%になります。

 

 単身の会社員ならば、平日のお昼や夕方は在宅していませんから、店舗に来店して注文した商品を引き取るケースが多い。一方で、ご自宅に商品を届けて欲しくないという要望もあります。商品を自宅に届けてももらえるし、お店でも受け取れる。お支払いは、店頭でも銀行口座からの引き落としでも可能です。

 

 このように「セブンミール」はお客さまのさまざまなご要望に合わせて複数の選択肢を用意しているのです。今後、グループでオムニチャネル化を推進していったときは、「どこで商品を受け取るか」が大きなポイントになると思います。「セブン-イレブン」の店舗を起点に、さまざまな商品が受け取れたり、自宅に届けたりしてもらうことができる。これはお客さまにとって究極の「近くて便利」だと考えています。

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